政府に反対する抗議活動が続くタイ・バンコクについて、外務省は23日、海外渡航情報(危険情報)を、「十分注意」から、危険度が1段階高い「渡航の是非を検討」に引き上げられました。これを受け、大手旅行会社「JTB」(東京)は24日、同日から27日までに出発予定のバンコクのツアー(158人)を中止し、バンコク滞在中のツアー客334人を帰国させるなどの対応を取っとのことです。
タイに対する渡航情報(危険情報)(2010/04/23)
平成22年度 No.005平成22年(2010年)4月23日<外務省「渡航情報」(危険情報):タイ>------------------------------------------------------------------●ナラティワート県,ヤラー県,パッタニー県及びソンクラー県の一部(ジャナ郡,テーパー郡及びサバヨーイ郡) :「渡航の延期をお勧めします。」(継続)
●ソンクラー県(ジャナ郡,テーパー郡及びサバヨーイ郡を除く) :「渡航の是非を検討してください。」(継続)
●シーサケート県のカンボジアとの国境付近のプレアビヒア寺院周辺地域 :「渡航の是非を検討してください。」(継続)
●首都バンコク :「渡航の是非を検討してください。」(引き上げ) (特に,下記2.(4)(イ)(ロ)記載のデモ及び集会等が行われている地域及びその周辺に渡航・滞在される方は,渡航の是非を含め安全につき十分検討してください。)------------------------------------------------------------------☆詳細については、下記の内容をよくお読み下さい。
<平成22年(2010年)4月23日発出>1.概況(1)2006年以降,タイではタクシン元首相を支持する勢力と同元首相の政治手法に反対する勢力との間で対立が続き,一方の勢力による政権に対し,もう一方がデモ活動を行う状況が続いてきました。 2008年にはタクシン派政権に対し,「市民民主化同盟(PAD,通称『黄シャツ』)」が半年以上にわたる反政府デモを行い,過激化したデモ活動は首相府及び空港の占拠に至りました。その後,2008年12月に反タクシン派政権であるアピシット政権が成立すると「反独裁民主戦線(UDD,通称『赤シャツ』)」が反政府運動を開始し,2009年4月には,パタヤでのASEAN関連首脳会議会場の占拠,バンコク都内複数か所の道路封鎖などを伴う大規模な反政府デモ・集会が発生したほか,現政府支持勢力であるPAD幹部の乗車する車両が銃撃され,同幹部が重傷を負うという事件も発生しました。 2010年3月12日からUDDは再び大規模デモ活動を展開しており,タイの経済及び都民の生活に多大な影響を与えています。これを受け,政府は4月7日,バンコク都および周辺地域に非常事態宣言を発出しています。4月10日には,デモ隊と軍との間で衝突が起こり,邦人ジャーナリスト1人を含む25人の死者と840人に及ぶ負傷者を出しました。その後,UDDは,デモ隊を集結させ,軍による強制排除に備えてバリケードを築くなど政府との間で対決姿勢を強めています。一方,こうしたUDDデモに反対するグループが4月17日以降都内でデモ活動を行っており,また,軍・警察とUDDデモ隊との間で緊張が高まっていました。 そうした中,4月22日夜,反UDDグループを狙ったと思われる爆弾5発が3か所に打ち込まれ,最低1人の死者及び70人以上の負傷者を出す事件が発生しました。同事件を受けて軍・警察とUDDデモ隊との間では一層緊張が高まっています。 上記に加え,首都バンコク及び同郊外においては,2010年2月から首都バンコク及び郊外において政府等の施設を中心に連日のように爆弾事件が発生しています。これらについてはいずれも犯行声明等はありませんが,UDDデモと関連しているとの見方もあります。 今後の情勢次第では,UDDデモ活動に関連した場所や各種の政治的集会が行われているところで,不測の事態が発生する可能性は排除されません。
(2)タイ南部では,中央政府の支配に反抗するイスラム系武装集団によるとみられる襲撃・爆弾事件等が頻発しています。これらのテロ活動の標的は治安関係施設や公共建築,交通機関,空港等にとどまらず,ホテルやショッピングセンターなどの施設にまで拡大しています。
(3)タイとカンボジアの国境付近に位置し,世界遺産に登録されているプレアビヒア寺院(タイ側呼称:カオ・プラ・ウィハーン遺跡)及びその周辺地域においては,両国の主張する国境線の相違による緊張状態が続いています。現在,事態はおおよそ沈静化していますが,2009年4月には再度,カンボジアとタイ両国軍による発砲を伴う衝突が発生して数人の死者を出し,また2010年1月にも小規模な銃撃戦が行われるなど,散発的に衝突が発生しており,同寺院及びその周辺地域においては,依然として不測の事態が発生する可能性が排除されません。
(4)主に首都バンコクにおいて,睡眠薬強盗や日本人旅行者等を対象としたいかさま賭博や盗難(スリ・置引き・ひったくり),宝石やスーツのキャッチセールス等の各種被害が多発しています。なかでも睡眠薬強盗は,2009年は47件発生しており,昨年に比べ被害件数が6割以上増加(2008年の被害件数は29件)しています。犯罪被害については地方においても例外でなく,2007年11月にはスコータイにおいて単独旅行中の日本人女性観光客が殺害され,また2009年11月にはプーケット在住の日本人男性が殺害される事件が発生したほか,北部チェンマイ等においても短期渡航者を狙った置き引きやひったくり,性犯罪等の事案が発生しています。
(5)タイでは2004年以降,H5N1型鳥インフルエンザの鳥やヒトへの感染が確認され,タイ国内におけるヒトへの感染は累計25人(うち17人死亡)となっています。一方で,2006年7月以降,H5N1型鳥インフルエンザのヒトへの新たな感染はありません。また,新型インフルエンザ(A/H1N1型)に関しては,タイ国内においても223人の死亡が確認されています。(2010年4月17日現在)
2.地域情勢(1)タイ南部3県(ナラティワート県,ヤラー県,パッタニー県及びソンクラー県の一部(ジャナ郡,テーパー郡及びサバヨーイ郡)) :「渡航の延期をお勧めします。」(イ)南部地域にはタイからの分離独立運動を標榜するイスラム系武装集団が依然として存在しており,主にナラティワート県,ヤラー県及びパッタニー県に拠点を設けて活動を続けています。これまでに同集団によるとみられる襲撃,爆弾事件が続発しており,多数の市民が犠牲となっています。
(ロ)主なものでは,2005年7月,ヤラー県の変電所等が爆破されて停電中,同県内のデパート,ホテル,レストラン等が同時に爆破され,警察官2人を含む多数の死傷者が出ました。これを受けて,タイ南部3県に緊急事態が宣言されました。また,同年10月には,海兵隊員殺害事件や仏教寺院襲撃事件が発生し,これらを受けてタイ政府は南部県境のソンクラー県ジャナ郡,テーパー郡及びサバヨーイ郡に戒厳令を発令しました。なお,この3郡に対する戒厳令は2009年12月に解除され,同3郡及びナ・タウィー郡に対し,国内治安維持法が新たに発令されました。
(ハ)これらの事件に対し,軍・警察当局は依然として厳重な警戒態勢を敷いていますが,これらに対する武装集団側の抵抗や報復と思われる爆弾事件や襲撃事件も発生し,泥沼化している状況であり,一連の爆弾・襲撃事件等による死傷者は,軍・警察関係者ばかりでなく,教員を含む公務員やその他一般市民,外国人に及んでいるほか,仏教徒のみならずイスラム教徒も被害に遭っており,2004年以降現在まで,約3,900人以上が殺害され,数千人が負傷したとされています。
(ニ)2008年3月に発生した,パッタニー県内の中で最も安全とされていたホテルであるCSパッタニーホテル前における連続自動車爆弾事件(2人死亡15人負傷),また,2009年8月に発生した,ナラティワート県中心部にある食堂前での小型トラック爆発事件(43人負傷)のように,攻撃対象が比較的警備の緩やかな施設や一般市民に拡大しています。これまでのところ,日本人がこれらの事件に巻き込まれたことはありませんが,そのほかにも,脱線事故を伴う鉄道運行の爆破妨害事件なども発生しており,今後もいつどこで事件が発生するかは予測困難です。 つきましては,南部3県及びソンクラー県の一部(ジャナ郡,テーパー郡及びサバヨーイ郡)での渡航・滞在,及び同地域を通過してのマレーシアへの越境等を予定されている方は,どのような目的であれ渡航を延期することをお勧めします。
(2)ソンクラー県(ジャナ郡,テーパー郡及びサバヨーイ郡を除く) :「渡航の是非を検討してください。」(イ)2005年4月,ソンクラー県ハジャイ市において,空港,ショッピングセンター及びホテルの3か所で相次いで爆弾が爆発し,少なくとも2人が死亡,50人以上が負傷する事件が発生しました。
(ロ)2006年8月,ジャナとバン・タ・メンルックを結ぶ鉄道線路の橋梁が爆破され,4人が死亡,1人が重傷を負う事件が発生しました。
(ハ)同年9月,ハジャイ市の中心部6か所で爆弾事件が発生し,カナダ人を含む3人が死亡し,70人以上が負傷しました。また,2007年5月にも,同市内のホテル,ショッピングセンター,薬局及びレストランで爆弾が相次いで爆発し,13人が負傷しました。
(ニ)2007年10月には,ハジャイ市内において,合計17個の爆発物が発見されましたが,爆発前に処理され ました。2008年8月にも,市内中心部7か所で連続爆弾事件が発生し,3人が負傷しています。 つきましては,ソンクラー県(ジャナ郡,テーパー郡及びサバヨーイ郡を除く)に渡航・滞在を予定されている方は,渡航の是非を含め自らの安全につき真剣に検討され,渡航される場合には,十分に信頼できる旅行エージェント,旅行ガイドを選び,それらがどのような安全対策をとっているか確認する等具体的な安全対策を講じることをお勧めします。
(3)シーサケート県のカンボジアとの国境付近のプレアビヒア寺院周辺地域 :「渡航の是非を検討してください。」 タイとカンボジアの国境付近に位置し,世界遺産に登録されているプレアビヒア寺院(タイ側呼称:カオ・プラ・ウィハーン遺跡)及びその周辺地域においては,両国の主張する国境線の相違による緊張状態が続いています。同地域においては,2008年10月,カンボジアとタイ両国軍による銃撃戦が2度にわたり発生し,双方に死傷者が出る事態となりました。現在,事態はおおよそ沈静化していますが,2010年1月には再度,カンボジアとタイ両国軍の間で小規模な銃撃戦が行われるなど,散発的に衝突が発生しており,依然として同寺院及びその周辺地域においては,不測の事態が発生する可能性が排除されません。 つきましては,タイ・シーサケート県の同寺院周辺地域に渡航・滞在を予定されている方は,渡航の是非を含め自らの安全につき真剣に検討され,渡航される場合には,十分に信頼できる旅行エージェント,旅行ガイドを選び,それらがどのような安全対策をとっているか確認する等具体的な安全対策を講じることをお勧めします。
(4)首都バンコク及び周辺地域:「渡航の是非を検討してください。」(イ)2006年以降,タイではタクシン元首相を支持する勢力と同元首相の政治手法に反対する勢力との間で対立が続き,一方の勢力による政権に対し,もう一方がデモ活動を行う状況が続いてきました。 2008年にはタクシン派政権に対し,PADが半年以上にわたる反政府デモを行い,過激化したデモ活動は首相府及び空港の占拠に至りました。その後,2008年12月に反タクシン派政権であるアピシット政権が成立するとUDDが反政府運動を開始し,2009年4月には,パタヤでのASEAN関連首脳会議会場の占拠,バンコク都内複数か所の道路封鎖などを伴う大規模な反政府デモ・集会が発生したほか,現政府支持勢力であるPAD幹部の乗車する車両が銃撃され,同幹部が重傷を負うという事件も発生しました。
(ロ)2010年3月12日からUDDは再び大規模デモ活動を展開しており,当初,パンファー橋付近を拠点としていたUDDは,4月3日からはバンコク都内繁華街の中心であるラチャプラソン交差点付近にデモ活動を展開し,タイの経済及び都民の生活に多大の影響を与えています。これを受け,政府は4月7日,バンコク都および周辺地域に非常事態宣言を発出しています。4月10日には,パンファー橋から民主記念塔の先まで広がるデモ隊と軍との間で衝突が起こり,邦人ジャーナリスト1人を含む25人の死者と840人に及ぶ負傷者を出しました。同衝突に関し,タイ政府はデモ隊に武器を使用するテロリストが含まれていたと発表しました。これに対し,UDDは,デモ隊をすべてラチャプラソン交差点付近に集結させ,軍による強制排除に備えて同地域の周辺6か所にバリケードを築くなど,政府との間で対決姿勢を強めています。一方,こうしたUDDデモに反対するグループが4月17日以降都内で場所を変えつつデモ活動を行っています。また,UDDがバンコク有数の商業地区であるシーロム通りでデモを行うことを示唆したことから,軍・警察がシーロム通りに配備され,通りを隔てて向かい合うルンピニー公園のUDDデモ隊との間で緊張が高まっていました。 そうした中,4月22日夜,シーロム通りでデモ活動を行っていた反UDDグループを狙ったと思われる爆弾5発が高架鉄道(BTS)の駅を含む3か所に打ち込まれ,最低1人の死者及び70人以上の負傷者を出す事件が発生しました。同事件を受けて軍・警察とUDDデモ隊との間では一層緊張が高まっています。
(ハ)上記に加え,首都バンコク及び同郊外においては,2010年2月から首都バンコク及び郊外において政府等の施設を中心にたびたび爆弾事件が発生しています。これらについてはいずれも犯行声明等はありませんが,UDDデモと関連しているとの見方もあります。 今後の情勢次第では,UDDのデモ活動に関連した場所や各種の政治的集会が行われている場所で不測の事態が発生する可能性は排除されません。
(ニ)タイは「微笑みの国」,首都バンコクは「天使の都」といわれ,安全なイメージがありますが,2006年3月には日本人旅行者2人が拳銃で撃たれ死亡する事件が発生したほか,同年8月には,日系企業社員が帰宅途中に散弾銃で撃たれ重傷を負う事件,2007年6月には,首都周辺県で日系企業社員が帰宅途中に拳銃で撃たれ負傷する事件が発生しています。
(ホ)スリ,置き引き,ひったくりなどの被害が依然多発しています。中でもひったくりは,被害者を引き倒してでもバッグを奪おうとする悪質な手口が増加しており,負傷する日本人が増えています。さらに,夜間,オートバイに乗った二人組が刃物を振り回し,通行人に重傷を負わせる事件も報告されています。
(ヘ)フィリピン人又はマレーシア人と思われる集団によるいかさま賭博の被害が発生しており,ナイフや拳銃で脅されて多額の現金を要求されたり,わいせつ行為をされたりするという深刻な事案も報告され,事件には凶悪化の傾向もみられます。
(ト)日本人が被害に遭う睡眠薬強盗が急増しています。見知らぬ者から飲食物を勧められても安易に信用せず,毅然とした態度で断る勇気が必要です。
(チ)バンコクを始めとするタイの都市には多数の日本人が在留していますが,日本人社会の成長・滞在邦人の増加に伴い,日本人が犯行に関与していると思われる事件や来訪する日本人を標的にした詐欺事件や偽札事件等が増加しており,殺人事件も発生しています。具体的には,2007年末にバンコク都周辺のチョンブリー県内で日本人が殺害される事件,2008 年8月にバンコク都内で日本人が殺害され現金を強奪される事件が発生しています。これ以外にも日本人が犯行に関与していると思われる,海外商取引を装う詐欺事件等も頻発しています。 以上の状況を踏まえ,首都バンコクの危険情報を「十分注意してください。」から「渡航の是非を検討してください。」に引き上げます。 つきましては,首都バンコク,特に,上記2.(4)(イ),(ロ)記載のデモ及び集会等が行われている地域及びその周辺に渡航・滞在される方は,渡航の是非を含め安全につき十分検討してください。同地に渡航・滞在されている方は,上記の情勢及び犯罪発生状況を踏まえ,デモ・集会には近づかず,現地情勢の把握に努め,暴動やテロ事件等,不測の事態に巻き込まれないよう十分な安全対策をとってください。
(5)ミャンマーとの国境付近(イ)タイ北部のミャンマーとの国境付近では,国境そのものが画定していない場所もあり,同地域に誤って入った場合,陸軍等に身柄を拘束されるおそれがあります。また,タイとの国境付近のミャンマー側では,反政府少数民族武装勢力と政府軍との間で戦闘が散発している状況であり,国境付近のミャンマー側における薬物問題や少数民族問題は完全には解決していません。
(ロ)2006年9月の政変に伴い,ミャンマーとの国境は一時閉鎖されていましたが,現在は解除されています。しかし,今後のミャンマー情勢の変化によっては,国境の急な閉鎖等が行われる可能性があります。
(ハ)現在,この地域に危険情報は発出されていませんが,同地域へ渡航・滞在される際には上記情勢に注意してください。
(6)北部(在チェンマイ総領事館管轄地域)(イ)チェンマイ県等のタイ北部においては,銃器・薬物に係る犯罪が増加傾向にありますので,渡航・滞在される方はこうした犯罪に巻き込まれないよう十分注意する必要があります。
(ロ)チェンマイ旧市街を中心に,オートバイを利用したひったくり事件が多発しており,日本人も被害に遭っています。また最近は,寸借詐欺,性犯罪等の被害に遭う日本人も増えています。
(ハ)現在,タイ北部においてデモ等による大きな混乱は生じていませんが,小規模のデモは散発的に発生しています。また,政治状況等に応じてタイ北部でも反政府勢力(タクシン元首相支持派)であるUDDの動きが活発化することもあり,今後の首都バンコク等の情勢次第では市民生活に影響が及ぶ可能性がありますので,今後とも最新の情報の入手に努めてください。
3.滞在に当たっての注意 滞在中は下記の事項に十分留意して行動し,危険を避けるようにしてください(詳しい犯罪手口等については,「安全対策基礎データ」を参照してください。)。また,外務省,在タイ日本国大使館,在チェンマイ日本国総領事館,現地関係機関,報道等から最新情報を入手するよう努めてください。(1)不安定な政情等から混乱が生じる可能性は排除できませんので,以下の安全対策を講じてください。(イ)外出する際は,行き先の安全を確かめておくとともに,行き先では周囲への警戒を怠らない。
(ロ)集会が行われている場所には近づかない。
(ハ)パスポート等身分証明書を携帯し,不審尋問を受けたときに備える。
(ニ)家族や知人に行き先,居場所,連絡先を知らせておくとともに,定期的に日本の親族等と連絡を取る。
(2)首都バンコクの王宮前広場等を含む多数の観光スポットにおいて,親しげに声を掛けてくる人物(タイ人,その他の外国人)の中には,日本人旅行者等を標的にして睡眠薬強盗,いかさま賭博,宝石・洋服詐欺等を働く者が数多くいます。見知らぬ人物に安易について行った結果,多額の現金をだまし取られたり,二束三文の商品を高額で買わされたりする等の被害は跡を絶ちません。また,誘拐等の被害に遭う可能性も排除できません。見知らぬ人物から声を掛けられても安易に信用せず,買い物は信用のおける店を利用する等の注意が必要です。
(3)置き引き,エスカレーターでの集団スリ,ウィークエンド・マーケット(チャトチャック市場)や有名スーパーマーケット近辺等の混雑した場所でのスリ等の被害事件も多発していますので,財布やパスポート,カバンの携行には十分な注意が必要です。
(4)密室となるタクシーや,走行すると飛び降りることのできないバイクタクシー等は必ずしも安全とはいえませんので,特に夜間における女性の単独乗車は避けてください。また,運転手から親しげに話し掛けられても,安易に信用せず警戒を怠らないようにしてください。
(5)2007年9月にバンコクの日本人旅行者がよく利用するホテルで発生した火災では,数人の日本人が火災に巻き込まれ負傷し,また,2009年1月には,ディスコクラブの火災により日本人1人が死亡,数人が負傷する等,消火施設や避難経路等の不備により惨事を招いたケースも見受けられることから,滞在先では,消火設備や避難経路などを確認するようにしてください。
(6)タイではけん銃が多数出回っていますので注意してください。万一,けん銃や刃物を所持した強盗に遭遇した場合は,身の安全を第一に考えて対処してください。また,バイクタクシーについては,交通事故に遭遇する可能性が高く,一部ではバイクタクシーの運転手による窃盗や傷害,性的暴行事件も発生していますので,利用する際には十分注意してください。
(7)夜間から早朝にかけて人通りの少ない路地の単独行動は避けてください。特に,カバン,スーツケース等を携帯しての単独行動は可能な限り避け,不審者に跡をつけられていないか等,周囲に警戒を払うようにしてください。また,女性の場合は,昼間でもひったくりに遭う可能性がありますので,裏街,路地裏での単独行動は避け,また,バッグ等をひったくられないように,手荷物は車道と反対側に持つなど十分に警戒する必要があります。
(8)バー,レストラン,ショッピングモール,ホテル等の多数の人が集まる場所や公共施設及び政治集会に関連する場所(政治集会の開催場所,関連団体の施設等)においては,爆弾事件に巻き込まれないよう不審な人物や不審物,不審車両の存在に十分に注意を払うようにしてください。
(9)衝突,暴動等に巻き込まれないよう,政治集会が開催されている場所にはできるだけ近づかないでください。
(10)タイへの「免税タバコ」の持ち込み及び同国内での所持については,「安全対策基礎データ」の「●査証,出入国等8.」を参照の上,規定量(おおむね1カートン)を超えて持ち込むことのないよう注意してください。また,税関当局による検査で摘発された場合には,違反者が高額な罰金を科せられるケースが発生していますので,税関検査における申告は適正に行ってください。
(11)空港到着時,いわゆる「白タク」の運転手が出迎えの旅行会社と偽り,パックツアー等の旅行者を乗車させ,不当に料金を請求する事案が発生しています。旅行会社等の出迎えが予定されている場合は,旅行に出発される前に,事前に旅行会社等の出迎えがどのような形で行われるのかを確認しておくことをお勧めします。その上で,出迎えの業者の真偽について,乗車前によく確認してください。 また,空港内では,タイ政府の認可を受けていないタクシーの運転手やツアー・ガイドが,いかにも空港職員のように装い,到着したばかりの外国人観光客を狙って,割高なホテルや悪質な土産店に連れて行くようなケースも報告されており,被害に遭う外国人観光客が増加しています。空港からタクシー等でバンコク都内に向かわれる場合は,空港内にある空港公団(AOT)のカウンターにてリムジンを手配するか,空港1階 にあるパブリック・タクシー・サービスでチケット(タクシー搭乗券控え)を受け取り,タクシーに乗車するようにしてください。
(12)2006年10月より査証免除で入国する外国人(日本人を含む)に対して,最初の入国日から起算して6か月以内の通算90日間を超える滞在は認められないと規定されていましたが,2008年11月25日以降,この規定は撤廃されています。 現在では,陸路で入国した場合は1回15日間まで,空路で国際空港に入国した場合には1回30日間までの滞在に限り査証(ビザ)免除が適用されます。この規定は,査証免除で入国した外国人のみが対象であり,査証取得者は対象とされていません。査証は日本やタイ周辺国にあるタイ大使館・総領事館などで取得できます。 なお,タイの入国管理局では,最近,外国人の出入国管理について各種法令などを一層厳格に運用しています。例えば,90日以上継続して長期に滞在する外国人については,90日おきに入国管理局に通報する義務(いわゆる90日レポート)があり,この通報を怠った結果,出国時や滞在期間延長申請時に罰金を科せられるケースが報告されていますので注意してください。 なお,滞在許可に関する詳細は,タイの入国管理局,また,タイの査証に関する詳細は,日本やタイ周辺国等のタイ大使館やタイ総領事館に確認してください。
(13)2004年以降,H5N1型鳥インフルエンザによる鳥やヒトへの感染が確認され,タイ国内におけるヒトへの感染は累計数として25人(うち17人が死亡)となっています(2010年4月17日現在)。2006年7月以降,H5N1型鳥インフルエンザのヒトへの新たな感染は認められていません。また,2008年11月以降鳥インフルエンザの家禽での流行もありませんが,今後とも,H5N1型鳥インフルエンザの流行がみられる鶏舎や鳥を放し飼いにしている場所,生きた鳥を扱う市場などに不必要に近づかないなど,引き続き注意してください。 新型インフルエンザ(A/H1N1型)に関しては,タイ国内においても223人の死亡が確認されています(2010年4月17日現在)。日本の外務省も,新型インフルエンザの感染が確認された国・地域に関し,別途,「広域情報」を発出しています。渡航を検討されている方は,渡航先の感染状況及びWHOの情報等最新情報を入手し,感染防止対策を徹底するとともに,感染が疑われた場合には速やかに医療機関に受診してください。 また,タイにおいては,デング熱の発症例も数多く報告されており,2009年のデング熱(出血熱を含む)の発生状況は,感染者数53,229人(うち死亡47人)となっています。蚊に刺されない対策等,十分な注意が必要です。 新型インフルエンザ,鳥インフルエンザ等感染症に関する情報や対策等については,在タイ日本国大使館や外務省海外安全ホームページ等でも随時情報を発信していますので,最新の流行状況をご確認ください。 なお,タイにおける新型インフルエンザ関連情報に関しては,下記ホームページ等もご確認ください。
タイ保健省の新型インフルエンザに関するホームページ(英文) http://beid.ddc.monph.go.th/eng/ 新型インフルエンザに関するホットライン(24時間対応・全てタイ語及び英語 対応) 保健省ホットライン 02-590-1994(タイ国内から・タイ語) 保健省疾病対策局 +66-2-590-3333(海外から)
(14)現地に3か月以上滞在される方は,緊急時の連絡などに必要ですので,到着後遅滞なく管轄の大使館又は総領事館に「在留届」を提出してください。また,住所その他の届出事項に変更が生じたとき,又はタイを去る(一時的な旅行を除く)ときは,必ずその旨を届け出てください。 なお,在留届は,在留届電子届出システム(OPRネット: http://www.ezairyu.mofa.go.jp/ )による登録をお勧めします。また,郵送,FAXによっても行うことができますので,管轄の大使館又は総領事館まで送付してください。
(問い合わせ先)
○外務省領事局海外邦人安全課(テロ・誘拐に関する問い合わせは除く)住所:東京都千代田区霞が関2-2-1電話:(代表)03-3580-3311(内線)5139○外務省領事局邦人テロ対策室(テロ・誘拐に関する問い合わせ)住所:東京都千代田区霞が関2-2-1電話:(代表)03-3580-3311(内線)3678○外務省領事相談センター(海外安全担当)住所:東京都千代田区霞が関2-2-1電話:(代表)03-3580-3311(内線)2902○外務省海外安全ホームページ: http://www.anzen.mofa.go.jp/ http://www.anzen.mofa.go.jp/i (携帯版)○在タイ日本国大使館住所:177 Witthayu Road, Lumphini, Pathumwan, Bangkok 10330, Thailand電話:(66-2)207-8500,696-3000FAX:(66-2)207-8510ホームページ:http://www.th.emb-japan.go.jp/○在タイ日本国大使館領事部電話:(66-2)207-8502,696-3002(邦人保護) (66-2)207-8501,696-3001(パスポート,証明,在外選挙等)FAX :(66-2)207-8511○在チェンマイ日本国総領事館住所:Suite 104-107, Airport Business Park, 90 Mahidol Road, T.Haiya, A.Muang, ChiangMai,50100 Thailand電話:(66-53)20-3367FAX :(66-53)20-3373ホームページ:http://www.chiangmai.th.emb-japan.go.jp/ ------------------------------------------------------------------