2011年の余波で観光の不振に苦しむ国々、日本の名も
スペイン・マドリードで18日に開幕した2012年国際観光見本市で、2011年に起きた暴動や災害で減った観光客を呼び戻そうと苦心している国として、チュニジアやエジプトと並び日本の名前も挙げられた。見本市に参加したこれらの国の観光当局者たちは、今年はもっと良い年になるように耐えているところだと語った。チュニジアやエジプトの民衆蜂起は長期政権を崩壊させた一方、北アフリカの人気リゾート地からも観光客を遠ざけた。一方、日本で起きた東日本大震災とそれに続いた福島第1原発の事故も同じ効果をもたらした。マドリードに本部がある国連世界観光機関が16日に発表したところによると、太陽を求めて例年は中東や北アフリカのリゾート地へ出かける欧州の観光客は2011年、「アラブの春」で混乱や内戦が相次いだこの地域を避けた。世界全体での観光客が前年比4.4%増で9億8000万人に達したのに対し、北アフリカ地域は12%減、中東は8%減と落ち込んだ。
日本から昨年、観光客を遠ざけたのは、地震と福島第1原発の事故に対する恐怖と警戒心だった。11月までの暫定データによると日本への外国人旅行者数は、前年比29%減だった。日本政府観光局パリ事務所の宮澤康一所長は、東日本大震災直後の時点で、30%程度の減少を予想していたという。日本の国内総生産(GDP)のうち観光業が占める割合は5?7%前後。宮澤氏によると、現在は日本を訪れるベストシーズンとされる春へ向けてキャンペーンの真っ最中だ。2010年の水準まで回復できることを願っているが、現実は「非常に厳しい」と言う