中国航空業界、欧州CO2排出規制に支払い拒否
欧州連合(EU)が1日から航空業界に適用した温室効果ガス排出規制について、中国航空運輸協会(China Air Transport Association、CATA)の柴海波(Cai Haibo)副秘書長(副事務長)は5日、規制によって生じる排出枠購入費を中国の航空会社は支払わないと述べた。 EUは1日、発電所や工場からの温室効果ガス排出を削減するため2005年に導入した域内排出権取引制度(EU-ETS)の対象を、航空業界にも拡大。EU域内の空港を発着する世界の航空会社は、ETSの枠組みの中で排出権を購入しなければならなくなった。 航空機へのEU-ETS適用をめぐっては、米中両政府と各国航空会社が反発。国際法違反だとして米航空会社が訴訟を起こしたが、EUの最高裁判所に相当する欧州司法裁判所(ECJ)は前年12月21日、訴えを棄却している。 中国の航空会社が加盟するCATAの柴氏は、本部のある北京(Beijing)で、「当然、中国はEU-ETSに協力しない」と述べた。「CATAは中国の航空会社を代表して、一方的に域外の航空会社にEU-ETSを強制適用したEUの不適切な行為に強く反対する」 その上で柴氏は、詳細は示さなかったものの中国政府がEUへの「対抗措置」を検討していることも明らかにした。 EU側の説明によると、EU-ETSに従わない航空会社は罰金を課される恐れがあり、最悪の場合はEU域内27か国での着陸を拒否されるという。中国国営メディアは先に、EU-ETSについて「国家主権を侵害し、航空に関する国際条約に違反し、貿易戦争につながるだろう」と警告していた。