世界の旅行者数、伸び率は再び鈍化傾向に 国連調査 / 2012年1月17日

世界の旅行者数、伸び率は再び鈍化傾向に 国連調査

世界全体の旅行者数は2011年、前年から4.4%増えて9億8千人となったことが、国連の世界観光機関(United Nations World Tourism OrganizationUNWTO)が16日に発表した調査結果で分かった。2012年には10億人に届くことが予測される。

2011年は、国内紛争が発生した中東や北アフリカのリゾート地を避けて、旅行者が欧州へ向かう動きが見られた。欧州の金融危機や中東の民主化運動、東日本大震災などにも関わらず全体の旅行者数は増加しているが、前年から回復基調にあった観光需要の勢いは、やや失われたとUNWTOはみている。

UNWTOのタレブ・リファイ(Taleb Rifai)事務局長によると、2009年に過去60年間で最低を記録した世界の観光需要だが、2010年には6.7%増加に回復した。こうした傾向から、同機関は2011年の伸び率を4?5%と予測していた。

2012年の増加率は3?4%と緩やかなペースながらも引き続き増えて、UNWTOでは12年末までに10億人の壁を突破するとみている。

一方、アジア方面の旅行者数は東日本大震災や、これに伴う福島第1原子力発電所の事故の影響で、2011年の増加率は前年の13%から6%へと減少した。