特急「ジオパーク号」発進へ 山陰海岸の観光名所PR / 2012年3月 6日

特急「ジオパーク号」発進へ 山陰海岸の観光名所PR

京都、兵庫、鳥取の3府県は、福知山?鳥取駅の日本海沿岸を走る観光特急列車の今秋からの運行を計画している。山陰海岸が「世界ジオパーク」に認定されたことを機に、北近畿タンゴ鉄道(KTR)とJR山陰線の直通列車で天橋立など沿岸名所のPRを強める。当面は団体専用だが、将来的には一般乗客も利用できる特急への昇格を目指す。

 京丹後市から鳥取市までの海岸110キロは2010年10月、貴重な地形が楽しめる「世界ジオパーク」に選ばれた。鳥取と兵庫が観光誘客に生かそうと要望し、JR西日本は昨年4月から豊岡(兵庫県)?鳥取駅で臨時快速を運行している。

 快速列車が好評なため、昨夏、鳥取が京都府、兵庫に山陰海岸の観光名所を巡る特急列車運行を提案した。福知山駅からKTR宮福線、宮津線を経由し、豊岡駅でJR山陰線に入り、鳥取駅と結ぶルートで検討し、KTRの特急用車両を使う予定という。

 府によると、列車は団体専用の予約制で、3府県が費用を負担し、KTRとJRに運行委託する方向で調整する。京都は日本三景の天橋立、兵庫は城崎温泉、鳥取は山陰松島と称される浦富海岸や鳥取砂丘などの最寄り駅で停車し、各名所を散策してもらう。

 JR西によると、丹後半島を通って山陰地方に直通する特急や急行は、国鉄時代の急行「大社」(名古屋?出雲市)が1982年に廃止されて以来、運行されていない。3府県は今回の企画を成功させ、一般客も乗車できる直通列車の復活をJR西に働き掛けていく。