エジプトの渡航情報引き上げ、大手各社がツアー中止
外務省は7月3日、エジプトの渡航情報について、シナイ半島(スエズ湾、アカバ湾に面した沿岸地域を除く)以外のエジプト全域を「十分注意してください」から「渡航の是非を検討してください」に引き上げた。エジプトでは6月22日頃から、反大統領派が大統領の退任を求めてデモや集会を実施しており、6月26日以降、全国各地で大統領反対派と支持派が衝突。外国人を含む多数の死傷者が発生しており、6月30日だけで16人が死亡、781人が負傷した。
7月1日には国軍が、48時間以内に大統領側が国民の要求に応えない場合は今後のロードマップとその履行のための手続きを発表すると宣言。大統領側は軍の声明に否定的な姿勢を表明しており、大統領と軍で食い違いが発生している。
外務省では、デモが全国的に広がって複数の死者が出ており、今後の規模の拡大や衝突、混乱の継続の可能性が不透明であること、政治的解決の行方が見えないことなどから「引き続きカイロを含む全国各地で治安の悪化を含め、社会的混乱が拡大、継続することが懸念されている」とし、引き上げを決定。渡航の是非を慎重に検討し、不要不急の渡航は避けるように呼びかけるとともに、やむを得ず渡航する場合は最新の情報の入手、連絡手段の随時確保、適切な安全対策の実施を訴えている。
外務省の渡航情報引き上げを受け、大手旅行会社各社はパッケージツアーの催行中止を決定。旅行者からの取消料は収受しない。ジェイティービー(JTB)はエジプトを含むツアーについて、7月31日まで催行を中止するとしており、約150名に影響が出る見込み。8月以降の対応は7月下旬に決定する予定。なお、既に出発済みのツアーは、早急にエジプトを離れるよう調整中とした。