JAL、一部のB787路線で機材変更、飛行規程改定で
日本航空(JL)は11月25日、ボーイングB787型機で運航中の一部路線において、機材変更を実施した。11月23日、ボーイングがゼネラル・エレクトリック(GE)製のGEnxシリーズエンジンを搭載しているB747-8型機とB787型機について、飛行規程(AFM)を改定したことに伴うもの。原則として、成田/デリー線の機材をB777型機に、成田、羽田/シンガポール線をB767型機に変更する。また、12月1日からB787型機で運航する予定だった成田/シドニー線も、同様の理由からB787型機の導入を取り止め、現行のB777型機での運航を継続する。
JLによると、今回のAFMの改定は、GEnx-2Bエンジンを搭載した他社のB747-8型機が積乱雲などの活発な雲域を航行中、一時的にエンジン推力が減少したことをうけたもの。エンジンの一部に僅かな損傷があったが、運航上の影響はなかった。これを受けて、ボーイングは「高度3万フィート(約9000キロメートル)以上の雲中を飛行する際、飛行経路上に積乱雲などの活発な雲域が発生している場合、その周囲50ノーティカルマイル(約90キロメートル)の飛行を禁止する」とAFMを改定した。
JLは今までも積乱雲などの活発な雲域を回避した航路を航行し安全を確保してきた。しかし、今回避ける範囲が拡大したことで、運航当日の気象条件により、積乱雲が多い地域の路線で雲域を迂回、回避することで大幅な遅延や欠航の可能性が高まると判断。顧客の利便性を重視し、定時性を保ち安全かつ安定的に運航するため、機材の変更を決定。今回の変更により、国内線を含む他路線の機材計画についても一部変更になる場合があるという。
JL広報部によると、機材変更による顧客への影響はほぼなく、大幅な遅延や欠航はないという。一部座席数の関係でビジネスクラスからエコノミークラスへ変更する場合があるが、顧客の希望により他便のビジネスクラスへの振り替えなど対応していくとした。
今回機材変更した以外のB787型機運航路線については、積乱雲など活発な雲域が航路上に発生する可能性が低く、発生してもAFMに従い回避することで安定的に運航できるという。
なお、全日空(NH)はB787型機で該当のエンジンを使用していないため、AFM改定に伴う変更はないとしている。