京都市:寺社と初の災害協定 観光客の避難広場に
京都市は5日、大規模地震などの災害発生時に多くの観光客が帰宅困難になることを想定し、市内の清水寺、京都国立博物館(東山区)、東本願寺(下京区)、天龍寺(右京区)など寺社やホテル、施設を一時的な避難場所や滞在場所として提供してもらう協定を、各施設などと結んだ。市によると、観光客に特化した帰宅困難者対策は全国初。著名観光スポットが人命を救う砦(とりで)となる。
市は観光シーズンに震度7の直下型地震が発生した場合、市内全域で約13万人の観光客が帰宅困難になると想定。このうち2大観光地の「清水・祇園地域」では約4万8000人、「嵯峨・嵐山地域」では約2万6000人に上ると見込む。
災害直後の混乱を避けるため、多くの観光客を一時的に集める「緊急避難広場」として開放してもらうよう、両地域を中心に20施設を選定し、市や府の4施設を除く16施設と協定を結んだ。誘導や情報提供は地元の商店街などが担う。また避難者のうち、自力での帰宅が困難な人のため、市内全域のホテルや旅館など115施設が、3日間無料で宿泊できる「一時滞在施設」となる。これらの施設などでは交通機関の運行状況なども提供する。
「緊急避難広場」となったのは次の施設。
【清水・祇園地域】清水寺境内・門前駐車場▽高台寺▽大谷祖廟▽八坂神社▽霊山護国神社▽霊山観音教会▽八坂女紅場学園▽円山公園▽市清水坂観光駐車場
【嵯峨・嵐山地域】天龍寺▽二尊院▽常寂光寺▽清凉寺▽トロッコ嵯峨駅駅舎・駅前広場▽レストラン嵐山▽時雨殿▽嵐山公園中之島地区▽市嵐山観光駐車場
【京都駅周辺地域】東本願寺▽京都国立博物館