バンコクに非常事態宣言、JTBが取消料免除、一部で予約取消も
タイ政府は1月21日、バンコクとノンタブリー県全域、一部隣接県を対象に非常事態宣言を発令した。それに伴い、一部の旅行会社ではツアーの旅程変更や取消料免除の動きが出始めている。
ジェイティービー(JTB)では、パッケージツアーは通常通り催行中だが、バンコク宿泊を含むツアーを対象に、2月28日出発分まで取消料を免除すると決定。バンコク経由のツアーは、空港内は安全であることから通常通り対応する。
また、エイチ・アイ・エス(HIS)では反政府拠点エリアのホテルを利用するツアーの催行を一部中止とし、他ツアーへの振り替えをおこなう。このほか、一部のオプショナルツアーで催行を中止するほか、実施するものについても現地の状況に合わせルートの変更などをおこなうとした。
一方、阪急交通社、近畿日本ツーリスト(KNT)、クラブツーリズム、日本旅行では、現時点ではツアーは催行し取消料の免除もおこなっていない。今後は現地の情報を確認しながら対応していくとしている。KNTではツアーの行程は可能な限り消化するが、現状では交通渋滞が激しいため、出発時間を早めるなど現地で状況に合わせ調整しているという。また、クラブツーリズムでは申込者に詳しい説明をおこないながらも通常通り催行。現地の状況次第ではルートの変更も視野に入れながら対応していくとした。日本旅行は他社の動向や今後の状況を踏まえ、総合的に判断していくという。
▽キャンセル状況、各社分かれる?長期化に懸念
ツアーのキャンセルなどについて各社にきいたところ、JTBではここ数日の状況は現時点ではまだ確認できていないとしながらも「様子見の人が多い」とコメント。阪急交通社でも特にキャンセルは発生していないとした。
HISではキャンセルは「0ではないが、行く人も多い」と説明。参加取消を申し出た旅行者に対しては、近隣諸国のツアーや同じ日数で参加できるツアーへの振り替えを案内しているという。
KNTでは、出発日が近い場合はそのまま参加するが、出発日が先で取消料が発生しない予約は取消となるケースが少し発生しており、他方面に変更するケースもあるとした。クラブツーリズムではキャンセルに加え、予約を控える動きが昨年11月のデモ発生時点から続いており、デモの長期化に対し懸念を示した。
航空会社各社によると、日本航空(JL)では観光目的の旅行者は「結構中止している」といい、業務渡航でも若干の影響が発生。キャンセル対応については他路線と同様に対応しているという。
全日空(NH)では現時点で運航、営業は支障なく実施しており、需要への影響も特に出ていないとした。タイ国際航空(TG)では、キャンセルはないわけではないが、相当数の乗客がおり、便がガラガラになることはないとコメント。今後先の予約が入ってこなくなることを懸念していると話した。