日本旅行業協会(JATA)が大手ホールセラー7社(※)に実施した夏休み(7月1日?9月30日)の販売動向調査で、海外旅行の夏休みの予約人数は7月が前年比12.3%減、8月も6.5%減と減少したが、9月は7.4%増と増加した。JATAによると、日並びもありアジアを中心に9月の調子がよく、方面別では台湾、アメリカ・カナダが好調に推移しているという。
台湾は7月が40.5%増、8月が34.7%増、9月が46.4%増で、3ヶ月共に前年を上回った。食事や観光を含むツアーや周遊型ツアーが人気だという。また、アメリカ・カナダは7月が1.8%減と微減するも、8月は11.6%増、9月も11.5%増と増加。特に夏が観光シーズンのカナダでは、NHKの朝の連続テレビ小説効果や、羽田線就航などにより、人気が高まる傾向にあるとした。
また、中国については落ち込みも底を打ったとの考えで、前年の反動もあるが、7月は74.1%増、8月は42.0%増、9月は72.2%増と増加。JATAでは回復の兆しが現れてきているとの考えだ。一方、韓国は3ヶ月とも前年の6割から7割程度で推移しており、減少が続いているという。
商品別の傾向では、方面にかかわらずビジネスクラスや高級ホテルを利用する商品が人気を博しており、家族全員でビジネスクラスを利用するケースも増加傾向にある。また、国や地域で旅行先を選ぶのではなく、アクティビティや予約の取れないホテルに宿泊したい、レストランで食事をしたいといったコンセプトを重視したツアーを選択する傾向が強まっているとした。このほか、夏休みしか休みを合わせられない若い夫婦など、夏休み中にハネムーンに行くケースも増えているという。
また、JATA会員各社363社の営業、企画、カウンターなどの担当社員473名におこなった人気方面に関するアンケートでは、1位は台湾、2位はハワイ、3位はシンガポールとなった。回答者からは、台湾は台北に加え周遊コースも人気が高く、ハワイは安心して訪問できる旅行先として全世代から人気、シンガポールも安全な都市として家族旅行などに人気、といったコメントがあった。
※調査対象旅行会社はジェイティービー、近畿日本ツーリスト個人旅行、日本旅行、阪急交通社、エイチ・アイ・エス、ジャルパック、ANAセールスの7社。予約状況については、6月上旬に調べた、7社のパッケージツアー申込予約の前年比の数値をもとに、その動向を示す傾向値として取りまとめた