マレーシア、15年日本人は60万人目標、ロングステイやゴルフに焦点 / 2015年6月 7日

マレーシア政府観光局は6月3日、都内で「マレーシア・セールスミッション2015」を開催した。合わせて来日した同局総局長のマレーシア政府観光局総局長のダト・ミルザ・モハマッド・タイヤブ氏は業界誌のインタビューに応え、2015年の日本人訪問者数の目標を前年比8.5%増の60万人にしたと説明。増加をめざし、ターゲットを明確化したマーケティングをおこなっていく方針を示した。今までのOL層、サラリーマン、企業のインセンティブや教育旅行、アクティブシニアなどに加え、今年は特にロングステイやゴルフに焦点を当てていく。

 具体的な訪問者数としては、60万人のうち両セグメント合計で最大で5万人程度を見込む。ロングステイについては、毎年ロングステイ財団が発表している意識調査で、マレーシアが9年連続で希望国1位となったことを強調。今後は高品質の施設を増やし、更なる積み増しをはかっていく。

 また、ゴルフについては、「ワールド・ゴルフ・アワード2014」で、「アジア・ベスト・ゴルフ・ディスティネーション」の「ワールド・ベスト・ニュー・ゴルフ・コース」にランカウイのエルス・テルック・ダタイが選ばれたことを挙げ、喜びを示した。今後も旅行会社とタイアップして、日本のゴルファー向けのツアー造成を促していく。

 マレーシア政府観光局によると、2014年の日本人訪問者数は7.8%増の55万3106人で、同国における市場規模は9位。タイヤブ氏は、日本市場は以前は3位だったが、現在でも「トップ10に入る重要なソースマーケット」であると重要性を強調。マレーシアはインフラが整っており、治安もよく、ダイビングやショッピングなど様々な選択肢があるとし「日本人は安心して快適な環境の中でサービスを受けられる」とアピールした。

ただし、2015年1月から3月の日本人訪問者数の累計は、世界経済の低迷や円安、航空機便数の減少などの影響で16.4%減の12万5339人と減少しているところ。タイヤブ氏は「減速後はかえって注目を得る。我々の活動を改善するいい機会」と語り、「『継続は力なり』ということわざがあるように、努力を続ければ必ず回復できると楽観している」と前向きな姿勢を見せた。今後は引き続き屋外広告やラッピングタクシーを活用した広告展開や、メディアのファムツアーなどを積極的に展開していく。なお、同局マーケティングマネージャーの徳永誠氏によると、今年の後半にリカバリーキャンペーンの実施も検討しているという。

 また、同政府観光局では今年、「マレーシア・イヤー・オブ・フェスティバル」として、マレーシア独自のグルメやアート、文化や歴史をイベントや祭りで紹介しているところ。キャンペーンを通し、幅広いターゲットにマレーシアの多様性をアピールする取り組みとして継続していく。今回のセールスミッションで開催したセミナーでは、今後実施するイベントとして、ラマダンに合わせて、飲食が可能となる日没後に合わせて食べ物を売る「ラマダン・バサール」や、イスラム教徒とともに断食明けの食事を体験する「イフタル」などを紹介した。