MERSコロナウイルスによる感染症の発生 / 2015年6月 7日

1.中東呼吸器症候群(MERS)の発生状況
(1)2012年9月以降、中東呼吸器症候群(MERS:マーズ)の感染者の発生が引き続き報告されています。世界保健機関(WHO)が6月4日に公表したところによれば、これまでに累計で1,179人のMERSの確定感染者数が確認されており、このうち関連死亡者数は少なくとも442人である旨報告されています。
 WHOによれば、過去半年間で感染例報告があった国は、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、カタール、オマーン、ヨルダン及びイランです。また、同期間中には、ドイツ、フィリピン及び韓国で、中東訪問歴のある人の発症例(輸入感染症例)が報告されています。その後、中国に入国した韓国人1人にMERS感染が確認されたことにより輸入感染症例が発生、韓国では二次感染及び三次感染が発生しています。
(2)韓国におけるMERS感染発生状況は次のとおりです。
 韓国では、5月20日に、バーレーンから帰国した韓国人男性に、同国初のMERSコロナウイルス感染が確認されました。その後、同国国内で二次感染・三次感染が発生しています。韓国保健福祉部によれば、6月5日現在、韓国におけるMERS感染発生例は累計41人(渡航先の中国で確認された1人を含む)となっています。また、2人の死亡例が新たに報告され、死亡者数は4人となりました。感染者の内訳は、1例目の感染者の家族が1人、医療従事者が5人、残りは医療機関を通じて感染したとされています。
 WHOの報告によれば、6月3日現在、1,369人が自宅または国立医療施設での隔離措置を受けているとのことです。また、5日、韓国保健福祉部は、疫学情報やウイルス研究などの専門家で構成された、WHOとのMERS合同評価実施計画を発表しました。同計画では韓国国内でのMERSの展開について分析、当局の対応についてアドバイスが行われるとのことです。
(3)中国におけるMERS感染発生状況は次のとおりです。
 5月28日に韓国より香港経由で中国・広東省恵州市に入国した韓国人1名のMERS確定感染者は、6月4日現在、中国広東省において治療中です。中国・広東省衛生計画生育委員会は、同感染者との密接接触者について、引き続き、経過を観察しているとのことです。
(4)6月2日付けでWHOは、韓国におけるMERS感染者の発生状況について、急速に感染が拡大しているものの、現時点では持続的なヒトからヒトへの感染を裏付ける証拠は見つかっていないとの見解を示しています。また、2月4日に開催された国際保健規約(IHR)緊急委員会第8回会議においては、MERSコロナウイルスについては、「国際的に懸念される公衆の保健上の緊急事態(PHEIC)」としての条件はまだ満たされていないことを全会一致で結論付けています。
(5)つきましては、現段階では、WHOは、MERSコロナウイルス感染の影響が及んだ国への渡航や貿易に対する制限を課していませんが、感染例が報告されている地域に渡航、滞在される予定の方や現地に滞在している方は、日本国大使館又は総領事館のホームページを含め、最新の情報を入手するとともに、以下2.を参考に感染予防に努めてください。

2.MERSコロナウイルス感染について
(1)一般的にコロナウイルスは飛沫感染や接触感染で伝播し、風邪などの症状を引き起こします。通常その毒性はそれほど強くありませんが、MERSのようにウイルスが変異した場合は強い毒性を持つ可能性もあり、注意が必要です。
現在、WHOや関係各国は、MERSコロナウイルスの感染経路や臨床経過等について、調査を進めています。
(2) コロナウイルスに対する一般的な具体的予防策は以下のとおりです。
 ● 休息、栄養を十分に取り、体に抵抗力をつける。
 ● 手指等の衛生保持に心掛ける。
 ● できるだけ人混みを避けるか、マスクの着用を励行する。
 ● 咳やくしゃみの症状がある患者とは、可能な限り濃厚接触を避ける。
 ● 温度の変化と乾燥しすぎに注意する。
 ● 高熱、咳、呼吸困難等の症状が見られた時は、適切なタイミングで専門医の診断を受ける。
(3) MERSコロナウイルスの特徴及び上記に追加する具体的予防策は以下のとおりです。
 ● 感染者の約15%が医療従事者であり、救急外来での院内感染が問題となっているため自宅療養が可能な場合は救急外来の受診を控える。
 ● 50歳以上の感染者は重症化するリスクが高く、注意が必要です。
 ● 慢性疾患(糖尿病、高血圧、喘息、腎障害、心疾患、呼吸器疾患等)を持っている場合は重症化するリスクが高く、注意が必要です。
 ● 感染源である可能性が高いラクダとの接触を避ける。
  ラクダは威嚇行動でつばを吐くことがありますので、不用意な接近は避けてください。また、未殺菌のラクダ乳の摂取は厳につつしんでください。

○参考情報
 国立感染症研究所感染症情報センター:MERS(マーズ)コロナウイルス(MERS?CoV)
  http://www.nih.go.jp/niid/ja/component/content/article/2186-infectious-diseases/disease-based/ka/hcov-emc/idsc/2686-novelcorona2012.html 
FORTH:中東に渡航する方へ <中東呼吸器症候群に関する注意>
  http://www.forth.go.jp/news/2015/02021049.html
 WHO:Global Alert and Response/ Coronavirus infections(英文)
  http://www.who.int/csr/disease/coronavirus_infections/en/

(問い合わせ窓口)
 ○外務省領事サービスセンター
  住所:東京都千代田区霞が関2-2-1
  電話:(代表)03-3580-3311(内線)2902,2903

(外務省関連課室連絡先)
 ○外務省領事局政策課(海外医療情報)
  電話:(代表)03-3580-3311(内線)2850
 ○外務省 海外安全ホームページ: http://www.anzen.mofa.go.jp/ 
           (携帯版)  http://m.anzen.mofa.go.jp/mbtop.asp

(現地在外公館連絡先)
 ○在サウジアラビア日本国大使館
  住所:A-11 Diplomatic Quarter, Riyadh, Saudi Arabia
      (P.O. Box 4095)
  電話: (011) 488-1100
     国外からは(国番号001-966-11)488-1100
  FAX: (011) 488-0189
     国外からは(国番号001-966-11)488-0189
  ホームページ:http://www.ksa.emb-japan.go.jp/j/index.htm
 ○在ジッダ日本国総領事館
  住所:Al-Islam St. No.32. Jeddah, 21431, Saudi Arabia
  電話: (966-2) 667-0676
  FAX : (966-2) 667-0373
  ホームページ: http://www.jeddah.ksa.emb-japan.go.jp/
 ○在アラブ首長国連邦日本国大使館
  住所:Abu Dhabi, United Arab Emirates (P.O. Box 2430)
  電話: (市外局番02) 4435696
     国外からは(国番号971)-2-4435696
  FAX : (市外局番02) 4434219
     国外からは(国番号971)-2-4434219
  ホームページ:http://www.uae.emb-japan.go.jp/
 ○在ドバイ日本国総領事館
  住所:28th Floor, Dubai World Trade Centre Building,
      Dubai, United Arab Emirates. (P.O. Box 9336)
  電話:(市外局番04) 3319191(日?木曜日の午前8時から午後3時まで)
     国外からは(国番号971)-4-3319191
  FAX :(市外局番04) 3319292
     国外からは(国番号971)-4-3319292
  ホームページ:http://www.dubai.uae.emb-japan.go.jp/
 ○在カタール日本国大使館
  住所:Doha West Bay, Diplomatic Area, Doha,The State of Qatar
     (P.O. Box 2208)
  電話:44840888
     国外からは(国番号974)44840888
  FAX :44832178
     国外からは(国番号974)44832178
  ホームページ:http://www.qa.emb-japan.go.jp/jp/index.html
 ○在ヨルダン日本国大使館
  住所:Between 5th and 6th Circles, Foeg Halezon Street,Basin No.21 North Abdoun, Amman, The Hashemite Kingdom of Jordan (P.O.Box 2835, Amman, 11181 Jordan)
  電話:(市外局番06)5932005,5930428
     国外からは(国番号962)-6-5932005,5930428
  FAX:(市外局番06)5931006,5922176
     国外からは(国番号962)-6-5931006,5922176
  ホームページ: http://www.jordan.emb-japan.go.jp/index_j.htm
 ○在オマーン日本国大使館
  住所:Way No.3011, Shati Al Qurm, Muscat, The Sultanate of Oman
      (P.O. Box 3511, Ruwi, Postal Code 112)
  電話:024-601028
      国外からは(国番号968)-24-601028
  Fax:024-698720
      国外からは(国番号968)-24-698720
  ホームページ:http://www.oman.emb-japan.go.jp/japanese/index_j.htm
 ○在イラン日本国大使館
  住所:Bucharest Avenue, Comer of 5th Street, Tehran, Iran
  電話:(市外局番21)8871-7922
      国外からは(国番号98)-21-8871-7922
  Fax:(市外局番21)8871-3515
      国外からは(国番号98)-21-8871-3515
  ホームページ:http://www.ir.emb-japan.go.jp/jp/index.html
 ○在韓国日本国大使館
  住所:Seoul特別市鍾路区鍾路1gil 42利馬Bldg.7F
  電話:02-739-7400(領事部代表)
      国外からは(国番号82)2-739-7400
  Fax:02-723-3528(邦人援護)
      国外からは(国番号82)2-723-3528
  ホームページ:http://www.kr.emb-japan.go.jp/people/index.htm
 ○在釜山日本国総領事館
  住所:釜山広域市東区古館路18
  電話:051-465-5101(代表)
    国外からは(国番号82)51-465-5101
  FAX:051-464-1630
    国外からは(国番号82)51-464-1630
  ホームページ:http://www.busan.kr.emb-japan.go.jp/jhtm/index_j.htm
 ○在済州日本国総領事館
  住所:済州特別自治道済州市1100路3351世紀ビル9階
  電話:064-710-9500(代表)
    国外からは(国番号82)64-710-9500
  FAX:064-743-5885
    国外からは(国番号82)64-743-5885
  ホームページ: http://www.jeju.kr.emb-japan.go.jp/japanese/index.html
 ○在中国日本国大使館 
  住所(領事部):北京市朝陽区亮馬橋東街1号
  電話:(市外局番010)- 8531-9800(代表),(市外局番010)-6532-5964(邦人保護)
    国外からは(国番号86)-10-8531-9800(代表),(国番号86)-10-6532-5964(邦人保護)
  FAX:(市外局番010)-6532-9284
    国外からは(国番号86)-10-6532-9284
  ホームページ:http://www.cn.emb-japan.go.jp/index_j.htm
 ○在広州日本国総領事館
  住所:広州市環市東路368号花園大厦
  電話:(市外局番020)-83343009(代表),(市外局番020)-83343090(領事・査証)
     国外からは(国番号86)-20-83343009(代表),(国番号86)-20-83343090(領事・査証)
  FAX:(市外局番020)-83338972(代表),(市外局番020)-83883583(領事・査証)
     国外からは(国番号86)-20-83338972(代表),(国番号86)-20-83883583(領事・査証)
  ホームページ:http://www.guangzhou.cn.emb-japan.go.jp/
 ○ 在香港日本国総領事館
  住所:46 - 47/F, One Exchange Square, 8 Connaught Place, Central, Hong Kong
     (香港中環康楽広場8号交易広場第一座46楼及47楼)
  電話: (852) 2522-1184
  ホームページ: http://www.hk.emb-japan.go.jp/jp/index02.html