日本政府観光局(JNTO)によると、2015年上半期(1月?6月)の出国日本人数(推計値)は前年比4.9%減の762万2800人となった。6月単月では7.8%減の118万9000人で、訪日外客数を3ヶ月連続下回った。出国日本人数については14年6月から前年割れが続いているところ。このままの下げ幅が続けば、15年は1607万5122人で着地する見込みだ。
観光庁長官の久保成人氏は7月22日の会見で、円安基調を減少の一因として挙げ、円安が続けば「変動はあるにしろ(減少傾向は)変わらないのでは」と厳しい見通しを示した。また、「短期的には中東呼吸器症候群(MERS)の影響で、韓国への訪問者が減っている」と懸念を示した。同氏は、日本人の海外旅行は中国と韓国が大きな市場であるとした上で、下半期については「MERSが収束に向かえば、韓国への日本人の海外旅行者数も回復に向かうと期待している」とコメントした。
なお、訪日外客数は、上半期が46.0%増の913万9900人、6月単月が51.8%増の160万2000人。ともに出国日本人数を上回る結果となった。