フランスのパリで現地時間11月13日の夜に発生した連続テロ事件により、航空会社各社は航空券の払い戻しや無料での行先変更などの対応に追われている。各会社ともに通常通りの運航をおこなっているが、パリへの直行便を中心に航空券のキャンセルが発生するなど、影響も徐々に出てきているようだ。
日本航空(JL)によれば、成田、羽田/パリ線については、通常で約85%の搭乗率が、16日午後時点で65%まで低下。全日空(NH)も、羽田/パリ線の搭乗率は14日が7割、15日が6割、16日が4割にまで下がっており、日に日に事件の影響が現れている。一方、他の欧州線については、両社ともに現在のところは「特に影響はない」とした。JLでは11月30日出発までの航空券について、無料での払い戻しを実施。行先変更などについては通常の条件通りに対応する。一方、NHはキャンセルや行先変更などについては「状況に合わせて柔軟に対応している」といい、基本的には無料で払い戻しを実施。出発日などは特に限定していないという。
欧州の外国航空会社の日本路線については、エールフランス航空(AF)は具体的な数字こそ明かさなかったものの「ツアーのキャンセルなどの影響がでている」と説明。空港のセキュリティが強化されているため、利用者には3時間以上前に空港に到着するよう推奨しているという。
AFは最新情報をウェブサイト上で案内していく予定で、現地時間15日22時50分の時点では、AFが運航するパリを含むフランスの全国内空港発、または全国内空港発着の航空券について、16日出発分までは11月22日まで、17日から22日まで出発分については12月15日まで、無料で旅行の延期を可能にする特別対応をとっている。同一の予約クラス内での延期が条件となる。
フィンエアー(AY)は、一部の団体や個人の旅行でキャンセルが発生したが「大打撃という感じではない」と説明。ただし今後は、教育旅行などへの影響を懸念しているという。AYでは11月14、15日出発分について、出発日や行き先の変更を無料で実施。16日以降は通常通りの対応に戻した。ブリティッシュ・エアウェイズ(BA)はパリ線について、通常通りの航空券の要件に応じた対応をとっているとした。
ルフトハンザ・ドイツ航空(LH)、オーストリア航空(OS)、スイス・インターナショナル・エアラインズ(LX)は、「利用者からのキャンセルは多少は出ているが、全体として大きな影響はない」と回答。3社では18日までのパリ発着便を対象に、便の変更やキャンセルを無料で実施している。