航空各社、パリ事件で変更や返金に対応?観光地は営業再開 / 2015年11月19日

パリで11月13日夜に発生した連続テロ事件により、航空会社各社はパリ発着の航空券の払い戻しや、期間の変更などに対応している。日本から直行便を就航している日本航空(JL)、全日空(NH)、エールフランス航空(AF)などの方針と対応については既報の通りだが(関連記事)、今回は直行便を運航していない航空会社を中心に、各社の対応をまとめた。

 本誌の調べによれば日本時間の18日午後現在、中国系航空会社はいずれも11月14日までに発券された20日までのパリ発着便を含む航空券について対応を実施。中国国際航空(CA)は出発日を12月13日まで無料で変更可能にするほか、未使用航空券の返金も無料で受け付ける。キャセイパシフィック航空(CX)と香港ドラゴン航空(KA)は、経路や出発日の変更を無料で受け付けており、出発日は12月10日まで変更可能。中国東方航空(MU)も無料で変更や払い戻しに対応しており、変更日は12月13日までとした。中国南方航空(CZ)は、11月13日以前に購入した14日から20日までの航空券を12月13日までの申請を条件に、1回のみ無料で変更または払い戻し可能とする。

 アジア系航空会社では、大韓航空(KE)は11月13日以前に発券された2016年1月15日までのパリ発着の航空券について、日付の変更、別便への振り替え、払い戻しを無料で実施。シンガポール航空(SQ)は11月14日以前に発券された30日までの航空券について、出発日を16年1月末まで無料で延長可能にしたほか、返金なども無料で受け付ける。タイ国際航空(TG)は11月14日以前に日本で発券された12月14日までのバンコク/パリ便を含む航空券について、予約と経路の変更、返金を手数料無しで実施する。払い戻しの申請は12月29日まで。

 中東系航空会社では、エミレーツ航空(EK)が11月14日までに購入した20日までのパリ、リヨン、ニース発着便の航空券を対象に、無料で変更を受け付けるほか、払い戻しについては未使用の航空券は全額、片道などの一部使用済の場合は使用分の料金を差し引いた残額を返金する。エティハド航空(EY)は11月13日以前に発券されたアブダビ/パリ線を含む20日までの航空券を対象に、1回のみ無料で変更を受け付ける。同一予約クラスに空席がない場合は、空席のあるクラスとの差額を徴収して変更する。

 欧州系の航空会社では、アリタリア?イタリア航空(AZ)が11月14日から22日まで、パリ発着の予約済み航空券を保有している乗客に対し、変更手数料無しで予約変更を実施する。ターキッシュエアラインズ(TK)では、変更や取り消しなどは航空券の内容に合わせてそれぞれ個別に対応しており、予約課で問い合わせを受け付ているという。

 一部の報道によれば、パリでは現地時間の18日早朝、市内の北部で警察当局の捜査中に銃撃戦が発生。また、エールフランス航空(AF)は17日夜に、航空機に爆弾を仕掛けたとする匿名の電話を受け、ロサンゼルス発パリ行きのAF065便をソルトレイクシティに、ワシントン発パリ行きのAF055便をハリファックスに緊急着陸させた。同社によれば、地元当局が航空機や乗客、荷物などの安全確認をおこなって無事を確認したという。AF055便は乗務員の飛行時間制限の規制により、出発を18日の19時に延期。一方、AF065便は午前2時29分に離陸し、17時26分頃パリに到着する見込みだ。

 パリ観光局によると、18日には市内の美術館、博物館、テーマパークなどの主要な観光地や店舗は、一部を除き営業している。しかし、日本国内では20日までパッケージツアーの催行を控える旅行会社や、業務渡航を当面の間見合わせる企業なども現れている。