日本旅行業協会(JATA)はこのほど年末年始の旅行について、JATA会員旅行会社の社員453名を対象にした人気方面調査と、ホールセラー7社を対象にしたツアーの販売動向調査を実施した。その結果、海外旅行の人気方面調査の1位は台湾となった。国内旅行の1位は「東京(含むTDL)」で、東京ディズニーリゾートの人気などが後押ししたという。
JATAによれば、海外旅行の傾向では、長距離より近距離のデスティネーション、特にアジアに人気が集中している。一方、欧州は円安や今年1月のパリの新聞社襲撃テロ事件などで苦戦していることや、11月中旬のパリのテロ事件などの影響で低調に推移。また、今年は出発のピークが12月30日、帰国のピークは1月2日に集中し、航空座席などが予約しづらい状況にあるという。このほか、ビジネスクラスやプレミアムエコノミークラスを希望する旅行者が増加しているとの声も挙がった。
方面別ランキングでは、1位の台湾は近距離の安心できる旅行先として、年代や旅行形態を問わず人気が高いというコメントがあった。また、2位のハワイは「安心できるリゾート」の定番で、ホノルル以外の隣島も人気が出てきたという。3位はグアムで、ファミリーを中心に人気との声が挙がった。
4位はシンガポール、5位はベトナムで、女性を中心に人気。ベトナムは特に新しいリゾート地として女性グループの人気が高いという。このほか7位には、8月にカンタス航空(QF)が成田/ブリスベン線の運航を開始し、12月11日に全日空(NH)の羽田/シドニー線の開設を控えるオーストラリアがランクインした。
昨年12位だった米国本土は9位に上昇。6月にNHが成田/ヒューストン線、11月に日本航空(JL)が成田/ダラス・フォートワース線の運航を開始したことから人気が高まった。このほか、10位には韓国がランクインしており、世代を問わず復調の兆しがあるとした。
なお、販売動向調査によれば、年末年始の海外旅行の予約人数は前年比20%減。日並びが良くないことや11月のパリのテロ事件などで、海外から国内へと旅行先を変更する動きも出てきているという。
一方の国内旅行は、日並びの関係から海外旅行よりも好調に推移しており、国内旅行のパッケージツアーを取り扱うホールセラー6社への販売動向調査によれば、予約人数は前年並みで推移。人気ランキングでは1位は東京ディズニーリゾートを含む東京、2位は沖縄、3位は大阪、4位は北陸、5位は九州となった。
傾向としては、東京ディズニーリゾート、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン、ハウステンボスなど、カウントダウンイベントを予定するテーマパークが人気を博した。また、北陸新幹線の開業以来、北陸の人気が継続。冬季にはカニやブリなどが楽しめることもあり好調に推移しており、予約人数は70%増となっている。
ランキングはJATA会員旅行会社324社の営業、企画、カウンターなどの担当者を対象に実施したアンケート調査をまとめたもの。販売動向調査は、ジェイティービー(JTB)、エイチ・アイ・エス(HIS)、阪急交通社、近畿日本ツーリスト個人旅行、日本旅行、ジャルパック、ANAセールスの7社が対象で、HISは海外旅行のみとなっている。