中国政府の推計によると、2015年に本土以外へ旅行した中国人は1億2000万人に上り、前年比12%増となった。中国では、拡大する中間層の旅行支出が増大している。
政府系の中国観光研究院(China Tourism Academy)がソーシャルメディアを通じて明らかにした推計は、中国本土から諸外国と台湾、中国の特別行政区である香港(Hong Kong)とマカオ(Macau)を訪れた旅行者の合計数。行き先別の内訳は未公表だが、過去の統計では中国周辺地域への旅行・出張が過半数を占めている。
中国はこの数か月というもの経済成長が鈍化し、通貨・人民元も下落が進行している。
しかし、北京連合大学(Beijing Union University)の張凌雲(Zhang Lingyun)教授(観光学)は国営英字紙チャイナ・デーリー(China Daily)に対し、人民元安の観光業への影響はまだ出ていないと指摘。「短期的には、中国本土の海外観光業界が冷え込むことはない」と予想する一方、長期的な影響は「また別の話」だと述べた。