デルタ、成田全線の運休示唆、羽田昼枠交渉に反論 / 2016年1月26日

 デルタ航空(DL)はこのほど、日米航空当局間で協議されている羽田国際線の昼間発着時間帯枠の配分について、反論する声明を発表した。今回の声明でDLは「(現在協議されている議論における)羽田発着枠の配分は、成田の利用者を奪い取り、成田の『国際空港』としての機能を殺すことになる」とし、「もし日米航空当局間の交渉が成立すれば、当社は成田/米国間の7路線すべてを運休しなければならなくなる可能性がある」とコメントした。

 日米航空当局間では昨年12月に未配分の9枠について協議がおこなわれたが合意できず、協議の継続が決定。DLにはそのうち1枠または2枠のみ配分されると見られている。米国側は日本側に対し、さらに多くの枠を求めているところ。

 DLは現在、成田をアジアにおけるハブ空港と位置づけ、ミネアポリス、デトロイト、シアトル、ポートランド、ロサンゼルスなど米国本土へ7路線、ホノルルを含むアジア太平洋地域へ9路線を運航している。もしも羽田の昼間発着時間帯枠の配分が決定した場合は、現在の同社の成田線の利用者は羽田へ移行することが見込まれるが、DLは1枠または2枠程度では「(羽田を)ハブ空港として利用することはできない」と主張している。

 また、同じ米国の航空会社であるユナイテッド航空(UA)やアメリカン航空(AA)は、全日空(NH)および日本航空(JL)と共同事業を展開している点について説明。「(UAとAAは)すでにパートナー企業との連携により羽田線を拡充している」ことから、羽田の昼間発着時間帯枠が配分され、現在の状況が進むと「共同事業をおこなっている日米航空会社の複占状態を作り出すことになる」と指摘した。

 これらを踏まえてDLは、米国航空会社が公平に羽田線を運航できるよう「羽田枠を限定せずにオープンにする」ことを、米国側が日本側に求めるべきと主張。それができないのであれば、羽田と成田の現状を維持するべきと主張した。