アメリカン航空(AA)とデルタ航空(DL)、ハワイアン航空(HA)、ユナイテッド航空(UA)は現地時間4月21日、米国運輸省(DOT)に対して羽田/米国間の路線計画を申請した。現在は4社がロサンゼルスとサンフランシスコ、ホノルルへとネットワークを展開しているが、申請ではダラスとミネアポリス、アトランタ、コナ、ニューアークが新たな候補として加わっている。
羽田/米国線は、2010年に深夜早朝枠として日米双方の航空会社に4便ずつが配分され路線も開設されてきたが、昼間枠については合意が遅れ、今年2月にようやく昼間5便ずつの配分が決まったところ。利用可能となるのは2016年冬ダイヤからで、同時に現在の深夜早朝枠4便は1便に減少する。
これを受けDOTは3月、ゼロベースでの配分を決定。深夜早朝枠で枠を保持している航空会社からは反発の声もあったが、これまで採算がとれなかった東海岸などの都市にも昼間であれば路線を開設できるようになることから、「公益の最大化」というDOTの目的に対して現行の配分のままでは不十分と判断した。
申請数はDLが3路線、ほか3社が2路線ずつ。基本的には、4社すべてが深夜早朝枠で運航している路線を昼間時間帯に移して維持することを希望し、その上で別の都市を第2希望、第3希望として追加している。
HAは昼間枠でのホノルル線のデイリー運航を第1希望とし、コナ線の追加を第2希望に設定。コナ線は週3便、残りの週4便はホノルル線とすることで、週11便のホノルルと週3便のコナ線の体制をめざす。コナ線とホノルル線の計週7便も昼間枠を望むものの、第3希望として深夜早朝枠であっても運航するという。
次にDLはロサンゼルス、ミネアポリス、アトランタを要望。米国側が持つ昼間5枠のうちの3枠を求めていることになるが、アライアンス間の競争として見れば、AAとUAはジョイントベンチャーにより少なくとも2枠以上を利用可能であることから妥当と強調する。特にUAについては、全日空(NH)が日本航空(JL)よりも多く枠を得るとの見通しのもと「配分すべきではない」と主張した。
AAはロサンゼルスとダラスを要望。2010年以降、ニューヨーク線の運休と羽田からの撤退、そしてロサンゼルス線での再参入と曲折を経ているが、ロサンゼルス線は需要の大きさなど、ダラス線は地理的な多様性の確保が「公益」に繋がるとした。
そして、UAはサンフランシスコ線とニューアーク線の開設を要望。サンフランシスコ線については2年前の再配分で評価された点に変わりがなく、ニューアーク線は東海岸、そしてニューヨークへの路線を実現するものとアピールしている。