19日にパリからカイロに向かう途中で消息不明になったエジプト航空機MS804便(エアバスA320型機)について、フランスのオランド大統領は墜落が確認されたと発表した。66人の乗客・乗員が搭乗していた。
同機は、地中海の東部上空を飛行中のエジプト時間午前2時半(日本時間午前9時半)ごろ、エジプト領空内に入って間もなく消息を絶った。
オランド仏大統領は「何が起きたのか、事実が得られた後に結論を下す。事故なのか、それとも我々の念頭にあるテロなのか」と述べ、墜落の原因について結論を下すのは時期尚早との見方を示した。
ギリシャ防衛相は、MS804が「急旋回」し、高度を急激に下げてからレーダー上から姿を消したと話した。
ギリシャのカルパトス島から南の海域で、ギリシャとエジプト軍が大がかりな捜索を展開している。フランスも捜索に船や飛行機を提供すると申し出ている。
乗客数は3人の子どもを含む56人。乗員は7人で、このほか保安要員3人が搭乗していた。
乗客の国籍は、エジプト人30人、フランス人15人、イラク人2人、英国人1人のほか、カナダ、ベルギー、クウェート、サウジアラビア、アルジェリア、スーダン、チャド、ポルトガル各国が含まれる。
MS804便はパリのシャルル・ド・ゴール空港を現地時間の18日午後11時9分(日本時間19日午前6時9分)に出発。カイロに現地時間の19日午前3時過ぎに到着予定だった。
エジプト航空によると、MS804便は高度3万7000フィート(1万1300メートル)で飛行していた。エジプト領空に入って間もなく、カイロ時間で午前2時45分(日本時間午前9時45分)にレーダーから機影が消えたという。
最後に連絡を取ったとみられるギリシャの管制官は、同機がアテネの南東にあるケア島上空を飛行中にパイロットとやり取りしている。同国民間航空局の担当者はロイター通信に対し、パイロットから「問題があるような話はなかった」と語った。
一方で、ギリシャのカメノス防衛相は記者会見で、エジプト領空に入ったMS804便は「90度左に方向を変えてから360度右に旋回した」後、高度を下げたと説明した。
旅客機追跡サイト「 flightradar24.com」によると、消息を絶った航空機はパリ?カイロ間の前には、エリトリアの首都アスマラからカイロ、カイロからチュニジアの首都チュニス、チュニスからカイロ、カイロからパリを飛んでいた。
エジプトの地元テレビによると、エジプトのイスマイル首相や乗客らの家族がカイロの空港に集まっている。
航空アナリスト、アレックス・マチェラス氏はBBCに対し、エアバスA320型機は短距離の格安航空のフライトに使用されるケースが多く、「安全実績は非常に良い」と話した。
今年3月には、エジプト航空の国内便が乗客にハイジャックされ、キプロスのラルナカ空港に緊急着陸している。
また、昨年10月にはエジプトのリゾート地シャルムエルシェイクをたったロシア旅客機がシナイ半島で墜落している。