国際航空運送協会(IATA)は6月24日に国民投票により決定した英国のEU離脱を受けて、2020年までに同国の航空旅客数が3%から5%程度減少する可能性があるとの試算を示した。英国経済の低迷やポンド安などの影響などを勘案したもの。あわせて英国の航空業界は今後、独自の規則を設ける政策の自由を持つことと、欧州連合が進める航空管制改革の「シングル・スカイ構想」との間で、トレードオフに直面するとの見方を示している。
ブリティッシュ・エアウェイズ(BA)を傘下に収めるインターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG)も24日中に声明を発表。「今回の投票がビジネスに長期的に深刻な影響を与えることはないと信じている」と述べた一方で、短期的には今回の国民投票の運動期間の影響により需要が予想よりも弱含みで推移していることを説明している。
2016年度の営業利益については、選挙結果を受けて市場が不安定化している状況下でも増加すると予想。ただし15年と同じような増加率は期待できないとの見方を示している。