トルコの空港で自爆テロ、31人死亡=ISの犯行か―イスタンブール / 2016年6月29日

 トルコの最大都市イスタンブールのアタチュルク国際空港で28日夜(日本時間29日未明)、大きな爆発が起き、地元メディアによると、少なくとも31人が死亡、147人が負傷した。

 死者数が約50人に上るとの情報もある。イスタンブール県のバシップ・サフン知事によると、3人がそれぞれ別の場所で自爆したという。犯行声明は出ていないが、地元メディアは治安当局筋の話として、過激派組織「イスラム国」(IS)による犯行の可能性があると伝えた。

 在イスタンブール日本総領事館は「現段階で邦人が巻き込まれたという情報には接していない」と述べた。トルコ当局者の一人はロイター通信に対し、犠牲者の大半がトルコ人だが、外国人も含まれていると述べた。

 エルドアン大統領は声明で、今回のテロ事件を非難し、「世界に、とりわけ西側諸国に対し、テロへの断固とした態度を取るよう求める」と訴えた。

 爆発があったのは国際線ロビーの入り口。ボズダー司法相や目撃者の情報によると、容疑者3人は銃を乱射した後、それぞれ自爆したもようだ。

 事件を受け、アタチュルク空港の全発着便が運航を中止した。

 アタチュルク空港はトルコ最大の空港。2015年には年間6100万人以上が利用し、ロンドンやパリに次いで欧州で3番目に利用者の多い空港となった。

 トルコの主要都市では昨年以降、ISやクルド武装勢力によるテロが相次いでいる。今回の事件は空港の保安体制強化中に起きており、政府が受けた衝撃は大きい。