新千歳空港に中国、香港の6社が週41往復申請 国際線利用者、年76万人増へ / 2016年7月21日

 国が新千歳空港に乗り入れる中国などの航空機に対する発着制限を10月30日から緩和するのに伴い、中国と香港の航空会社計6社が新たに週41往復の定期便運航を国土交通省に申請したことが分かった。新千歳の2015年の国際線乗降客数は年約210万人で、同省は今回の増便によって年約76万人の大幅な増加を見込んでいる。政府関係者が19日明らかにした。

 新千歳空港は航空自衛隊の千歳飛行場が隣接するため、現在、中国など旧共産圏の航空機が月、木曜は終日発着できず、発着は《1》火、水曜の正午から午後4時まで《2》金曜の午後5時以降《3》土、日曜の終日―に限られる。政府は訪日 外国人観光客の増加を図るため10月30日から制限を見直し、《1》月から木曜の正午から午後5時まで《2》金曜の正午以降《3》土、日曜の終日―と毎日発着できるようにする。

 政府関係者によると、既に新千歳に就航している定期便の増便を申請したのは、中国国際航空(北京線)、中国東方航空(上海線)、春秋航空(同)の中国3社と、香港航空(香港線)。それぞれ月、木曜にも運航する方向。香港航空は毎日2往復とする予定で、増便は4社で週15往復。

 新たに就航するのは中国4社の計6路線で週26往復。中国国際航空が大連線(天津経由)、上海吉祥航空が上海線の毎日の発着を申請。中国東方航空は南京線を月、木曜に、海南航空が北京線を月、火、木、土曜、西安線を木、日曜、杭州線を月、水、金、土曜に運航できるように申請している。

 今回の増便で1時間当たり32回の新千歳の発着枠を超える可能性があるが、政府高官は「柔軟に対応し、申請のあった航空会社はすべて運航できるように調整したい」としている。新千歳の発着枠は来年3月下旬からは1時間当たり10回増の42回となる予定で、その際にはさらにマレーシアや韓国などアジア地域の航空会社の増便が見込まれる。