<新千歳空港>すり抜けでチェック強化、探知機横にチェーン / 2016年8月 8日

 北海道千歳市の新千歳空港国内線ターミナルで5日に女性客が保安検査場の金属探知機をすり抜けたトラブルを受け、同空港では警備会社が探知機横のスペースにチェーンを張り、係員を増やしてチェックを強化した。今回の問題では、警備の係員が検査時に目を離したうえ連絡も遅れるなど空の安全を守る"関所"での不十分な対応が浮き彫りになった。

 国土交通省新千歳空港事務所によると、女性の通り抜けがあったのは5日午後0時13分ごろ。現場から同事務所への連絡までに約30分かかっていた。

 同事務所は「検査所には複数の係員がおり、そのまま中に入れてしまうのは普通は考えられない」と説明。警備担当者が女性を捜していて通報が遅れたとみているが、国内線出発便の運航が停止したのは女性が乗ったAIRDO(エア・ドゥ)の羽田便が出発していた後だった。11便が欠航し159便が遅れるなど大きな影響が出たが、対策は空振りに終わったことになる。

 AIRDOによると、女性は搭乗口で「スマートフォン画面に表示されるはずの二次元コードがない」と話し、クレジットカードで本人と確認して乗せた。同便の出発予定時刻は、すり抜けの7分前だった。

 今回の事態を受け、同事務所は航空会社、警備会社などでつくる新千歳空港保安委員会で、迅速な情報伝達の徹底と自主的な飛行停止の徹底を通達した。