エアアジアX(D7)は6月28日夜、クアラルンプール/関空/ホノルル線の運航を週4便で開始した。使用機材はビジネスクラス12席、エコノミークラス365席のエアバスA330-300型機。以遠権を利用して週10便で運航中のクアラルンプール/関空線の一部を延伸するもので、LCCが日本/ハワイ間の定期便を運航するのは初めて。関空発ホノルル行きの初便の搭乗者数は大人336名、幼児1名で搭乗率は89.1%。乗客の13.7%を占める46名がクアラルンプールからの乗継客だった。
エアアジア・ジャパン(DJ)によれば、8月までの予約率は90%以上で推移。搭乗率の目標は明言しなかったが「90%に近い数字を維持できれば」という。乗客の8割から9割は関空発で、残りはクアラルンプール発またはホノルル発となる見通しだ。
記念式典の様子。左からD7のイスマイル氏、D7グループ会長のタン・スリ・ラフィーダ アジズ氏、関西エアポートCCOのグレゴリー・ジャメ氏 関空/ホノルル線については日本航空(JL)、デルタ航空(DL)、ハワイアン航空(HA)がそれぞれ1日1便を運航している。DJによれば、28日夜に関空で開催した記念式典では、CEOのベンジャミン・イスマイル氏が挨拶し、デイリー化を視野に入れていることを説明。「まずは週4便を成功させて、その後でデイリー化を検討したい」と語ったという。
同路線はウェブサイトなどでの直販に加えて、ジェイティービー(JTB)やエイチ・アイ・エス(HIS)など複数の旅行会社経由でも販売中。取り扱う旅行会社数は非公開としているが、今後も旅行会社との協力は継続するという。
▽JTBは「価格にインパクト」、HISは「幅広い集客見込める」
JTBでは、ルックJTBのダイナミックパッケージ「エアホ」、価格訴求型の「旅のアウトレット」、オンライン限定商品でD7を利用するツアーを販売。JTB西日本によれば、学生などの若者を中心に予約は好調で「FSCを使う商品とは違って価格にインパクトが出る。お客様の選択肢も広がるのでは」という。あわせて「これまでは夏のピーク時に座席不足感があったので、新規就航はありがたい」とも語り、デイリー化への期待を示した。
HISも、学生の取り込みを強化できるメリットを挙げ、今回の就航を好意的に評価。価格訴求型ツアーの需要拡大に限らず、「航空券代を抑えた分、ホテルのランクを上げるお客様も見られた」と伝え、「今後は幅広い集客が見込める」と期待を示した。