AC日本支社長のワイス貴代氏 本誌の電話取材に応えたAC日本支社長のワイス貴代氏は、モントリオールには同社の本社があり、ハブ空港の1つとしていることを説明。「ここ数年の新規就航などにより日本でのACの存在感が高まってきたことなどから、モントリオール線の開設に至った」と語った。ACはモントリオールを戦略的なハブ空港と位置づけてネットワークの拡大をはかっており、今年に入ってからも上海(浦東)線、マルセイユ線、テルアビブ線など7路線を開設している。12月にはリマ線にも就航する。
同路線のロードファクターの目標は80%後半。ビジネス、レジャー需要ともに取り込みをはかる考えで、ワイス氏はビジネス需要については、モントリオールでIT産業やハイテク産業が盛んであることなどについて説明した上で「トロントや米国経由でモントリオールを定期的に訪問する利用者がおり、潜在的なビジネス需要はある」との考えを示した。
レジャー需要については、日本ではケベック州のケベック・シティからモントリオール、オンタリオ州のオタワなどを通り、ナイアガラまで続く「メイプル街道」の人気が高く、秋の紅葉シーズンの訪問者が多いことを説明。その上で「モントリオールは魅力的な都市なので、旅行会社の皆様には秋以外にも販売してもらいたい」と語り、新たな旅行商品の造成を働きかける考えを示した。加えて、モントリオールからはプリンス・エドワード島(PEI)など、「アトランティック・カナダ」と呼ばれる大西洋に面した4州にアクセスしやすいことから、同地域とモントリオールと組み合わせたツアーも提案する考えだ。
そのほかには、ACが加盟するスターアライアンスのネットワークなどを活かして、アジア/成田/モントリオール間の乗継需要を取り込む方針についても説明。なお、ACの社長兼最高経営責任者であるカリン・ロヴィネスク氏も、「(新路線では)東部カナダ、米国北東部から日本やアジアへのより快適なアクセスをお客様に提供できる」とコメントを発表している。