羽田、ロボ働く「未来空港」に 警備、物流、翻訳 / 2018年1月 9日

日本の空の表玄関である羽田空港で、ロボット導入に向けた取り組みが急ピッチで進んでいる。旅客数増加が見込まれる2020年東京五輪・パラリンピックを見据えたものだが、18年1?2月に2回目の実証実験に踏み切り、空港を訪れた人へのサービス向上につながるか検証するという。羽田空港を最先端のロボット技術を体感できる「日本のショーケース」とアピールする狙いもある。

 ◆7機種を採用

 実証実験は、羽田空港を運営する日本空港ビルデングが中心となり立ち上げた「Haneda Robotics Lab(ハネダ・ロボティクス・ラボ)」の主催。どのような作業をするかテーマを決めて実験への参加を広く募った。実験に参加すれば、空港利用者へのサービス向上につながるか、ロボットそのものと人への安全性などがチェックできるため、ロボット開発現場だけでは確認が難しい実用化に向けた課題を洗い出すことができる。

 2回目となる実験のテーマは「警備」「物流」「翻訳」の3分野で、7機種のロボットが採用された。第1旅客ターミナル2階出発ロビーで1月9日から順次、8?12日間、稼働することになっている。

 警備分野で採用された綜合警備保障の「Reborg?X(リボーグ・エックス)」は、自律走行型の警備・案内ロボット。15年から販売されており、全国7カ所の博物館やショッピングセンターなどで9台が稼働中だ。人や物に近づくと衝突回避のため自動停止し、回避する機能がある。実験では昼は前面のタッチ式パネルを活用した空港案内を、夜は警備を担当。広大な空間での見回りや侵入者検知機能を検証する。

 物流ロボットは2機種が選定された。1機種はカナダのロボット企業が開発した箱形の「OTTO(オット)100」と「オット1500」。前後に搭載したセンサーで、自律走行する。国内販売元によれば、すでに北米の工場で導入されているという。重い荷物をオットに載せて運んでもらうという使い方が想定されている。

 手持ちの小さな荷物を運ぶのがデリバリーロボット「Relay(リレイ)」だ。円筒形で内部に荷物を収容するスタイル。想定されるのは「ラウンジで休憩する客に店舗から商品を届ける」といったサービス。空港内を行き交う国内外の人たちが「ロボットにどのように反応し、行動するのか」も検証テーマだという。