外務省情報の記事一覧

 外務省は5月30日、世界保健機関(WHO)がこのほどインドをジカウイルス感染症の「カテゴリー2」に追加したことを受けて、注意喚起のためのスポット情報を発出した。同カテゴリーは「2015年以前にウイルス伝播を確認、または15年以降新たに感染事例が報告され、中断なく感染伝播が起きている地域」が対象で、インド保健家族福祉省は今月に入り、グジャラート州のアーメダバードで感染症例3例が報告されたことを発表している。

 ジカウイルスについては、妊娠中に感染すると胎児に小頭症などの先天性障害が現れることがあるため、外務省は妊娠中または妊娠を予定している人には、流行地域への渡航を可能な限り控えることを呼びかけている。また、渡航者には各国の大使館や領事館のウェブサイトなどから最新情報を入手するとともに、防蚊対策を呼びかけている。

 外務省によればWHOは、ジカウイルス感染症の伝播状況とその潜在性に応じて、世界の国と地域を4つのカテゴリーに分類。危険度の高いカテゴリー1と2の地域については、妊娠中の女性が渡航しないよう呼びかけている。WHOによる分類は以下の通り。

▽WHO、ジカウイルス感染症の危険度

●カテゴリー1:15年以降感染事例が報告され、現在も感染伝播が起きている地域
【アフリカ】アンゴラ、カーボベルデ、ギニアビサウ
【中南米】アルゼンチン、アンティグア・バーブーダ、エクアドル、エルサルバドル、ガイアナ、グアテマラ、グレナダ、キューバ、コスタリカ、コロンビア、ジャマイカ、スリナム、セントルシア、セントクリストファー・ネーヴィス、セントビンセントグレナディーン諸島、ドミニカ共和国、ドミニカ、トリニダード・トバゴ、ニカラグア、パナマ、バハマ、パラグアイ、バルバドス、ベネズエラ、ベリーズ、ペルー、ボリビア、ホンジュラス、メキシコ、英領アンギラ、英領タークス・カイコス諸島、英領ケイマン諸島、英領バージン諸島、英領モントセラト、仏領グアドループ、仏領サン・マルタン、仏領ギアナ、仏領マルティニーク、蘭領アルバ、蘭領ボネール、蘭領キュラソー、蘭領シント・マールテン、蘭領シント・ユースタティウス島、蘭領サバ島、バージン諸島、米領プエルトリコ)
【北米】米国フロリダ州の一部地域、米国テキサス州の一部地域
【アジア】シンガポール、モルディブ
【大洋州】サモア、ソロモン諸島、トンガ、パラオ、パプアニューギニア、フィジー、マーシャル諸島、ミクロネシア連邦

●カテゴリー2:15年以前にウイルス伝播を確認、または15年以降新たに感染事例が報告され、中断なく感染伝播が起きている地域
【アフリカ】ウガンダ、ガボン、カメルーン、コートジボワール、セネガル、中央アフリカ、ナイジェリア、ブルキナファソ、ブルンジ
【中南米】ハイチ、ブラジル
【アジア】インド、インドネシア、カンボジア、タイ、バングラデシュ、フィリピン、ベトナム、マレーシア、ラオス

●カテゴリー3:感染伝播は途絶えているが、将来感染伝播が起こる可能性がある地域
【中南米】仏領サン・バルテルミー島
【大洋州】バヌアツ、チリ領イースター島、クック諸島、仏領ポリネシア、仏領ニューカレドニア、米領サモア

●カテゴリー4:媒介するネッタイシマカの生息が確認されているが、これまでに感染事例の報告がない地域
【アフリカ】エジプト、エリトリア、エチオピア、ガーナ、ガンビア、ギニア、ケニア、コモロ、コンゴ民主共和国、コンゴ共和国、サントメ・プリンシペ、ザンビア、シエラレオネ、ジブチ、ジンバブエ、スーダン、赤道ギニア、セーシェル、ソマリア、タンザニア、チャド、トーゴ、ナミビア、ニジェール、ベナン、ボツワナ、モザンビーク、マダガスカル、マラウイ、マリ、南アフリカ共和国、南スーダン、モーリシャス、リベリア、ルワンダ、仏領マヨット、仏領レユニオン
【中南米】ウルグアイ
【中東】イエメン、オマーン、サウジアラビア
【ヨーロッパ】ジョージア、トルコ、ロシア、ポルトガル領マデイラ
【アジア】スリランカ、中国、ネパール、パキスタン、東ティモール、ブータン、ブルネイ、ミャンマー
【大洋州】オーストラリア、キリバス、オーストラリア領クリスマス諸島、ツバル、ナウル、ニウエ、ニュージーランド領トケラウ、米領グアム、米領北マリアナ諸島、仏領ウォリス・フツナ

 外務省は5月29日、22日夜に英国・マンチェスター中心部のマンチェスター・アリーナで発生した爆発事件を受け、改めて注意喚起のためのスポット情報を発出した。事件は米国の人気歌手のアリアナ・グランデさんのコンサートの終了時に、会場の出口付近が爆破されたもので、現地当局によればこれまでに22名が死亡。報道によれば100名以上が負傷したとされている。同事件についてはイスラム教過激派組織のISILが犯行声明を発出し、さらなるテロを予告している。

 英国政府は事件を受けて、テロ脅威レベルを5段階中で最も高いレベルの「critical」(危機的)に指定。その後、27日には2番めに高い「Severe」(深刻)に引き下げたが、外務省では「テロ攻撃が発生する可能性がいまだ極めて高いことを意味する」として、英国を訪問する旅行者には引き続き、最新の関連情報の入手に努め、テロの標的となりやすい場所などを極力避けること、「たびレジ」に登録することなどを呼びかけている。

 外務省はそのほか、6月8日には同国で下院総選挙がおこなわれること、今月27日からラマダン月間に入っていること、ナイトクラブなどの閉鎖空間や、野外での大規模行事などに対するテロがネット上で呼びかけられていることも説明。「さらなるテロの発生が懸念される」として警戒を呼びかけている。

 外務省は4月21日、5月8日から訪日中国人旅行者のビザの取得要件をさらに緩和すると発表した。「明日の日本を支える観光ビジョン」で定めている戦略的な緩和策の一環で、新たに「十分な経済力を有する者」への数次ビザ発給を開始するほか、「相当の高所得者」の数次ビザ取得要件の緩和などをおこなう。「十分な経済力」などの定義については、不正申請などを防ぐために引き続き公開しない方針。

 緩和する要件は5つで、中国国内に居住する中国人の個人観光客については、これまで「十分な経済力を有する者」とその家族が数次ビザを取得する際には、初回の訪問時において沖縄県、岩手県、宮城県、福島県のいずれかで1泊することとしていたが、この要件を廃止。初回の訪問目的を観光にすることだけを条件とした。有効期間の3年間については変更せず、1回の滞在可能期間は30日以内とした。

 「一定の経済力を有する者」とその家族に対しても、現在は初回の訪問時に沖縄または岩手県、宮城県、福島県のいずれかで1泊する場合に数次ビザを発給しているが、新たな対象地として青森県、秋田県、山形県を追加。あわせて、これまで義務付けていた過去3年以内の日本への渡航歴の要件を廃止する。なお、有効期限は3年、滞在可能期間は30日のままとする。

 「相当の高所得者」とその家族に対しては、現行の有効期間5年、滞在可能期間90日の数次ビザについて、初回の訪問目的を観光に限定せず、商用や知人の訪問などでも良いとする。また、旅行会社を介さずに自ら航空券や宿泊施設などを手配することを認める。

 また、クレジットカードのゴールドカードを所有する者については、個人観光1次ビザの申請手続きを簡素化。そのほか、中国国外に居住する中国人の個人観光客については、従来は1次ビザしか発給していなかったが、今後は中国国内に住む中国人と同じ要件で観光目的の数次ビザを発給する。

 外務省はこのほど「海外安全ホームページ」において、欧州全域におけるテロ活動への注意喚起のための広域情報を発出した。2月3日のルーブル美術館における襲撃事件、3月18日のパリ・オルリー空港における武器奪取事件に続き、3月22日にはロンドンのウェストミンスター橋と国会議事堂で車両突入によるテロ事件が発生したことを受けたもの。フランスや英国以外でもテロの企図者などが摘発されていることを踏まえて、旅行者などには「欧州ではいつテロ事件が起きてもおかしくないとの認識を持つことが重要」と警告している。

 旅行者に対しては、「ここは日本ではない」という意識を持つこと、最新の関連情報の入手に努めること、テロの標的になりやすい観光施設などでは周囲の状況に注意を払い、できるだけ滞在時間を短くすることなどを要望。そのほか3ヶ月以上の滞在については在留届の提出を、3ヶ月未満の場合は「たびレジ」への登録を推奨している。

 また、外務省がテロ対策に関するパンフレットを複数制作していることを改めて説明。「海外旅行のテロ・誘拐対策」「海外へ進出する日本人・企業のための爆弾テロ対策Q&A」などをインターネット上で公開していることを紹介している。



 海外邦人安全協会はこのほど、外務省診療所長の仲本光一氏を講師に招き「海外への赴任・渡航前に注意すべき医療事情と安全対策」と題した講演会を開催した。仲本氏は旅行業界などから参加した企業の危機管理担当者など約60名に対して、赴任前の情報収集や予防接種、現地での体調管理や保険加入などの重要性について説明。終了後の本誌の取材に対しては「多くが短期旅行者にも当てはまる」と述べ、旅行会社などの協力に期待した。

 仲本氏は講演で、昨年に世界的な注目を集めたジカ熱など、主な感染症の発生状況について解説。このうち今年に入りマレーシアで日本人が死亡したデング熱については、東南アジアでの流行が「かなり危険な状態にある」と伝え、感染の疑いがある場合は受診など早期の対応が必要と説明した。

 ジカ熱やデング熱などと同じく蚊が媒介するマラリアについては「初発症状が出てから5日以内に治療を開始しないと50%が死亡する」と述べ、「帰国後に間違った診断をされると命取りになる」と強調。一昨年に韓国で問題化した中東呼吸器症候群(MERS)についても「忘れ去られているが、中東ではコンスタントに発生している」と伝え、引き続き警戒を怠らないよう注意を促した。

 そのほかには旅行者下痢症など、多くの旅行者が罹りやすい疾病への対策についても説明。重症疾患への対策としては海外旅行保険への加入を強く推奨し「掛け金が少ないと搬送先が限定されるが、4000万円あれば日本に搬送してもらえる可能性が出てくる」など具体的なアドバイスを示した。また、世界各国の医療事情をまとめて発信している外務省のウェブサイトについてもアピールし、「是非利用してほしい」と呼びかけた。

 外務省の海外邦人援護統計によれば、日本人出国者数が1621万3789人に上った2015年の総援護人数は2万387人。死亡者数は533人で、そのうち傷病による死亡が約8割を占める。

 外務省はこのほど、1月19日にマレーシアで日本人がデング熱により死亡する事例が発生したことなどを受けて、注意喚起のための広域情報を発出した。同省は、昨年7月にも新潟県でフィリピンから帰国した女性がデング熱で死亡した事例を受けて注意喚起をおこなったところ。
今回の広域情報では「マレーシアやフィリピンに限らず、アジア・大洋州地域をはじめ、世界中の熱帯・亜熱帯地域で広く発生が見られる」と説明し、対象国にはハワイ、台湾、香港、豪州の一部なども含んでいる。

 デング熱は蚊が媒介する感染症で、急激な発熱に加えて、発疹、頭痛、骨関節痛などを伴い、患者の一部は重症化して出血熱などを発症する。予防方法は蚊に刺されないようにすることのみ。外務省は流行地域への渡航を予定している人に対し、長袖の着用や虫除け剤の使用に務めることを呼びかけるとともに、体調の異常を感じたり発症した場合には、早期に医療機関などを受診するよう要請している。外務省が注意喚起している対象国は以下の通り。

▽外務省、デング熱に関する注意喚起の対象国・地域
・アジア
インド、インドネシア、カンボジア、スリランカ、タイ、中国(浙江省、広東省、福建省、広西壮族自治区、雲南省)、香港、台湾、ネパール、パキスタン、バングラデシュ、東ティモール、フィリピン、ブータン、ブルネイ、ベトナム、マレーシア、ミャンマー、モルディブ、ラオス

・大洋州
豪州(クイーンズランド州)、キリバス、クック諸島、サモア、ソロモン諸島、ツバル、トンガ、ナウル、パプアニューギニア、バヌアツ、パラオ、フィジー、マーシャル諸島、ミクロネシア連邦、北マリアナ諸島、ハワイ、ニューカレドニア、仏領ポリネシア

 外務省はこのほど、爆弾テロが発生したエジプトとトルコについて注意喚起のためのスポット情報を発出した。エジプトについてはカイロを含む同国各地で爆弾を使用したテロ事件が相次いで発生していることを受けたもの。エジプトでは12月9日に北部のギザ県とカフル・エルシャイク県で警察車両を狙った爆弾により警察官6名と市民1名が死亡し、警察官6名と市民4名が負傷した。また、11日にはカイロ中心部のアッパーシーヤ地区のコプト教教会で爆弾が爆発し、少なくとも25名が死亡、49名が負傷したという。

 トルコについては、12月10日夜にイスタンブール新市街の中心地近くに位置するサッカースタジアムと公園で発生した爆弾テロ事件を受けたもの。現地当局によれば、これまでに38名が死亡し155名が負傷した。日本人の被害報告はない。事件に関しては、反政府武装組織のクルド労働者党(PKK)の関連組織であるクルディスタン開放の鷹(TAK)が犯行声明を出しているという。トルコでは2015年7月以降、特にトルコ南東部にある治安機関を狙ったテロ事件が増加しており、アンカラやイスタンブールでは外国人観光客が犠牲となる事件も複数発生している。

 外務省はエジプトとトルコへの旅行者に対して、テロに対する注意を強化し最新情報の入手に努めるとともに、テロの標的になりやすい人が多く集まる施設や政府・軍・警察関係施設、宗教関連施設などに近づかないよう呼びかけている。

 なお、駐日トルコ共和国大使館は今回のテロ事件に対し、「トルコの結束と存続及び国民の社会心理を標的にした邪悪なテロ攻撃を強く非難する。犠牲になられた国民と遺族に哀悼の意を表し、負傷者の一刻も早い回復を祈っている」とコメントしている。

 外務省は9月8日付で、「感染症危険情報」と連動する形でマレーシア全土にレベル1の注意喚起を発出した。同省は、このほどコタキナバルで国内感染によるジカウイルス感染者1名が確認されたことを受けて、4日に注意喚起のためのスポット情報を発出していたところ。その時点では世界保健機関(WHO)などがマレーシアをジカ熱流行国に指定していなかったため、レベル1には指定しなかった。

 外務省が現在、ジカ熱に対する注意喚起を実施している国と地域は60以上に上り、東南アジアではインドネシア、シンガポール、タイ、ベトナム、フィリピンも全土をレベル1に指定している。日本では海外で感染して帰国後に発症した輸入症例が10例報告されているのみで、そのうち今回の流行における症例は7例。

1.21日夕刻(現地時間),フランス北部パ・ドゥ・カレ県アラス市付近を走行中の国際特急列車タリス(アムステルダム発ブリュッセル経由パリ行き)内において,男が発砲した後刃物を振り回し,乗客2名が負傷する事件が発生しました。犯人の男は拘束されましたが,複数の武器を携行していたことが判明しており,現在治安当局が事件の背景や動機を捜査しています。

2.22日,フランス内務大臣は,現在パリを含むイル・ド・フランス州に実施されているテロ警戒レベル(最高レベルである「攻撃の警戒」)を国内各地の駅,空港,地下鉄,高速鉄道,路面電車及び列車においても適用することを決定し,国境をまたがる国際列車の警戒についても,各国関係当局との連携を検討しています。

3.つきましては,フランス及び近隣諸国へ渡航・滞在される方は,以上の状況を考慮し,テロ事件を含め不測の事態に巻き込まれることのないよう,最新の関連情報の入手に努めてください。特に,フランスや近隣諸国において国際列車を利用されている方は,今回,銃火器を持った個人が国際列車内で犯行を起こし,負傷者が発生したという事実を十分認識し,注意してください。また,テロの標的となりやすい場所(政府・軍・警察関係施設,公共交通機関,観光施設,デパートや市場など不特定多数が集まる場所)を訪れる際には,周囲の状況に注意を払い,不審な状況を察知したら,速やかにその場を離れるなど安全確保に十分注意してください。

4.海外渡航前には万一に備え,家族や友人,職場等に日程や渡航先での連絡先を伝えておくようにしてください。3か月以上滞在する方は,緊急事態に備え必ず在留届を提出してください。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/todoke/zairyu/index.html )
また,3か月未満の旅行や出張などの際には,海外滞在中も安全に関する情報を随時受けとれるよう,「たびレジ」に登録してください。
(詳細はhttps://www.ezairyu.mofa.go.jp/tabireg/# 参照)

5.なお,テロ・誘拐対策に関しては,以下も併せて御参照ください。
(1)パンフレット「海外へ進出する日本人・企業のための爆弾テロ対策Q&A」
(2)パンフレット「海外旅行のテロ・誘拐対策」
(パンフレットは,http://www.anzen.mofa.go.jp/pamph/pamph.html に掲載。)

(問い合わせ窓口)
○外務省領事サービスセンター
住所:東京都千代田区霞が関2-2-1
電話:(代表)03-3580-3311(内線)2902

(外務省関連課室連絡先)
○外務省領事局邦人テロ対策室(テロ・誘拐関連)
電話:(代表)03-3580-3311(内線)3678
○外務省領事局海外邦人安全課(テロ・誘拐関連を除く)
電話:(代表)03-3580-3311(内線)5140
○外務省 海外安全ホームページ:
http://www.anzen.mofa.go.jp/ 
http://m.anzen.mofa.go.jp/mbtop.asp (携帯版)
1.中東呼吸器症候群(MERS)の発生状況
(1)2012年9月以降、中東呼吸器症候群(MERS:マーズ)の感染者の発生が引き続き報告されています。世界保健機関(WHO)が6月4日に公表したところによれば、これまでに累計で1,179人のMERSの確定感染者数が確認されており、このうち関連死亡者数は少なくとも442人である旨報告されています。
 WHOによれば、過去半年間で感染例報告があった国は、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、カタール、オマーン、ヨルダン及びイランです。また、同期間中には、ドイツ、フィリピン及び韓国で、中東訪問歴のある人の発症例(輸入感染症例)が報告されています。その後、中国に入国した韓国人1人にMERS感染が確認されたことにより輸入感染症例が発生、韓国では二次感染及び三次感染が発生しています。
(2)韓国におけるMERS感染発生状況は次のとおりです。
 韓国では、5月20日に、バーレーンから帰国した韓国人男性に、同国初のMERSコロナウイルス感染が確認されました。その後、同国国内で二次感染・三次感染が発生しています。韓国保健福祉部によれば、6月5日現在、韓国におけるMERS感染発生例は累計41人(渡航先の中国で確認された1人を含む)となっています。また、2人の死亡例が新たに報告され、死亡者数は4人となりました。感染者の内訳は、1例目の感染者の家族が1人、医療従事者が5人、残りは医療機関を通じて感染したとされています。
 WHOの報告によれば、6月3日現在、1,369人が自宅または国立医療施設での隔離措置を受けているとのことです。また、5日、韓国保健福祉部は、疫学情報やウイルス研究などの専門家で構成された、WHOとのMERS合同評価実施計画を発表しました。同計画では韓国国内でのMERSの展開について分析、当局の対応についてアドバイスが行われるとのことです。
(3)中国におけるMERS感染発生状況は次のとおりです。
 5月28日に韓国より香港経由で中国・広東省恵州市に入国した韓国人1名のMERS確定感染者は、6月4日現在、中国広東省において治療中です。中国・広東省衛生計画生育委員会は、同感染者との密接接触者について、引き続き、経過を観察しているとのことです。
(4)6月2日付けでWHOは、韓国におけるMERS感染者の発生状況について、急速に感染が拡大しているものの、現時点では持続的なヒトからヒトへの感染を裏付ける証拠は見つかっていないとの見解を示しています。また、2月4日に開催された国際保健規約(IHR)緊急委員会第8回会議においては、MERSコロナウイルスについては、「国際的に懸念される公衆の保健上の緊急事態(PHEIC)」としての条件はまだ満たされていないことを全会一致で結論付けています。
(5)つきましては、現段階では、WHOは、MERSコロナウイルス感染の影響が及んだ国への渡航や貿易に対する制限を課していませんが、感染例が報告されている地域に渡航、滞在される予定の方や現地に滞在している方は、日本国大使館又は総領事館のホームページを含め、最新の情報を入手するとともに、以下2.を参考に感染予防に努めてください。

2.MERSコロナウイルス感染について
(1)一般的にコロナウイルスは飛沫感染や接触感染で伝播し、風邪などの症状を引き起こします。通常その毒性はそれほど強くありませんが、MERSのようにウイルスが変異した場合は強い毒性を持つ可能性もあり、注意が必要です。
現在、WHOや関係各国は、MERSコロナウイルスの感染経路や臨床経過等について、調査を進めています。
(2) コロナウイルスに対する一般的な具体的予防策は以下のとおりです。
 ● 休息、栄養を十分に取り、体に抵抗力をつける。
 ● 手指等の衛生保持に心掛ける。
 ● できるだけ人混みを避けるか、マスクの着用を励行する。
 ● 咳やくしゃみの症状がある患者とは、可能な限り濃厚接触を避ける。
 ● 温度の変化と乾燥しすぎに注意する。
 ● 高熱、咳、呼吸困難等の症状が見られた時は、適切なタイミングで専門医の診断を受ける。
(3) MERSコロナウイルスの特徴及び上記に追加する具体的予防策は以下のとおりです。
 ● 感染者の約15%が医療従事者であり、救急外来での院内感染が問題となっているため自宅療養が可能な場合は救急外来の受診を控える。
 ● 50歳以上の感染者は重症化するリスクが高く、注意が必要です。
 ● 慢性疾患(糖尿病、高血圧、喘息、腎障害、心疾患、呼吸器疾患等)を持っている場合は重症化するリスクが高く、注意が必要です。
 ● 感染源である可能性が高いラクダとの接触を避ける。
  ラクダは威嚇行動でつばを吐くことがありますので、不用意な接近は避けてください。また、未殺菌のラクダ乳の摂取は厳につつしんでください。

○参考情報
 国立感染症研究所感染症情報センター:MERS(マーズ)コロナウイルス(MERS?CoV)
  http://www.nih.go.jp/niid/ja/component/content/article/2186-infectious-diseases/disease-based/ka/hcov-emc/idsc/2686-novelcorona2012.html 
FORTH:中東に渡航する方へ <中東呼吸器症候群に関する注意>
  http://www.forth.go.jp/news/2015/02021049.html
 WHO:Global Alert and Response/ Coronavirus infections(英文)
  http://www.who.int/csr/disease/coronavirus_infections/en/

(問い合わせ窓口)
 ○外務省領事サービスセンター
  住所:東京都千代田区霞が関2-2-1
  電話:(代表)03-3580-3311(内線)2902,2903

(外務省関連課室連絡先)
 ○外務省領事局政策課(海外医療情報)
  電話:(代表)03-3580-3311(内線)2850
 ○外務省 海外安全ホームページ: http://www.anzen.mofa.go.jp/ 
           (携帯版)  http://m.anzen.mofa.go.jp/mbtop.asp

(現地在外公館連絡先)
 ○在サウジアラビア日本国大使館
  住所:A-11 Diplomatic Quarter, Riyadh, Saudi Arabia
      (P.O. Box 4095)
  電話: (011) 488-1100
     国外からは(国番号001-966-11)488-1100
  FAX: (011) 488-0189
     国外からは(国番号001-966-11)488-0189
  ホームページ:http://www.ksa.emb-japan.go.jp/j/index.htm
 ○在ジッダ日本国総領事館
  住所:Al-Islam St. No.32. Jeddah, 21431, Saudi Arabia
  電話: (966-2) 667-0676
  FAX : (966-2) 667-0373
  ホームページ: http://www.jeddah.ksa.emb-japan.go.jp/
 ○在アラブ首長国連邦日本国大使館
  住所:Abu Dhabi, United Arab Emirates (P.O. Box 2430)
  電話: (市外局番02) 4435696
     国外からは(国番号971)-2-4435696
  FAX : (市外局番02) 4434219
     国外からは(国番号971)-2-4434219
  ホームページ:http://www.uae.emb-japan.go.jp/
 ○在ドバイ日本国総領事館
  住所:28th Floor, Dubai World Trade Centre Building,
      Dubai, United Arab Emirates. (P.O. Box 9336)
  電話:(市外局番04) 3319191(日?木曜日の午前8時から午後3時まで)
     国外からは(国番号971)-4-3319191
  FAX :(市外局番04) 3319292
     国外からは(国番号971)-4-3319292
  ホームページ:http://www.dubai.uae.emb-japan.go.jp/
 ○在カタール日本国大使館
  住所:Doha West Bay, Diplomatic Area, Doha,The State of Qatar
     (P.O. Box 2208)
  電話:44840888
     国外からは(国番号974)44840888
  FAX :44832178
     国外からは(国番号974)44832178
  ホームページ:http://www.qa.emb-japan.go.jp/jp/index.html
 ○在ヨルダン日本国大使館
  住所:Between 5th and 6th Circles, Foeg Halezon Street,Basin No.21 North Abdoun, Amman, The Hashemite Kingdom of Jordan (P.O.Box 2835, Amman, 11181 Jordan)
  電話:(市外局番06)5932005,5930428
     国外からは(国番号962)-6-5932005,5930428
  FAX:(市外局番06)5931006,5922176
     国外からは(国番号962)-6-5931006,5922176
  ホームページ: http://www.jordan.emb-japan.go.jp/index_j.htm
 ○在オマーン日本国大使館
  住所:Way No.3011, Shati Al Qurm, Muscat, The Sultanate of Oman
      (P.O. Box 3511, Ruwi, Postal Code 112)
  電話:024-601028
      国外からは(国番号968)-24-601028
  Fax:024-698720
      国外からは(国番号968)-24-698720
  ホームページ:http://www.oman.emb-japan.go.jp/japanese/index_j.htm
 ○在イラン日本国大使館
  住所:Bucharest Avenue, Comer of 5th Street, Tehran, Iran
  電話:(市外局番21)8871-7922
      国外からは(国番号98)-21-8871-7922
  Fax:(市外局番21)8871-3515
      国外からは(国番号98)-21-8871-3515
  ホームページ:http://www.ir.emb-japan.go.jp/jp/index.html
 ○在韓国日本国大使館
  住所:Seoul特別市鍾路区鍾路1gil 42利馬Bldg.7F
  電話:02-739-7400(領事部代表)
      国外からは(国番号82)2-739-7400
  Fax:02-723-3528(邦人援護)
      国外からは(国番号82)2-723-3528
  ホームページ:http://www.kr.emb-japan.go.jp/people/index.htm
 ○在釜山日本国総領事館
  住所:釜山広域市東区古館路18
  電話:051-465-5101(代表)
    国外からは(国番号82)51-465-5101
  FAX:051-464-1630
    国外からは(国番号82)51-464-1630
  ホームページ:http://www.busan.kr.emb-japan.go.jp/jhtm/index_j.htm
 ○在済州日本国総領事館
  住所:済州特別自治道済州市1100路3351世紀ビル9階
  電話:064-710-9500(代表)
    国外からは(国番号82)64-710-9500
  FAX:064-743-5885
    国外からは(国番号82)64-743-5885
  ホームページ: http://www.jeju.kr.emb-japan.go.jp/japanese/index.html
 ○在中国日本国大使館 
  住所(領事部):北京市朝陽区亮馬橋東街1号
  電話:(市外局番010)- 8531-9800(代表),(市外局番010)-6532-5964(邦人保護)
    国外からは(国番号86)-10-8531-9800(代表),(国番号86)-10-6532-5964(邦人保護)
  FAX:(市外局番010)-6532-9284
    国外からは(国番号86)-10-6532-9284
  ホームページ:http://www.cn.emb-japan.go.jp/index_j.htm
 ○在広州日本国総領事館
  住所:広州市環市東路368号花園大厦
  電話:(市外局番020)-83343009(代表),(市外局番020)-83343090(領事・査証)
     国外からは(国番号86)-20-83343009(代表),(国番号86)-20-83343090(領事・査証)
  FAX:(市外局番020)-83338972(代表),(市外局番020)-83883583(領事・査証)
     国外からは(国番号86)-20-83338972(代表),(国番号86)-20-83883583(領事・査証)
  ホームページ:http://www.guangzhou.cn.emb-japan.go.jp/
 ○ 在香港日本国総領事館
  住所:46 - 47/F, One Exchange Square, 8 Connaught Place, Central, Hong Kong
     (香港中環康楽広場8号交易広場第一座46楼及47楼)
  電話: (852) 2522-1184
  ホームページ: http://www.hk.emb-japan.go.jp/jp/index02.html
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