今年10月、英国の首都ロンドン(London)は世界の都市で初めてバス、電車、地下鉄すべての公共交通を電気化する。ロンドン名物の2階建てバスにも、燃料電池で走行する電気自動車が採用される。
?大気汚染対策のために、道路上に渡した電線を介して電力を供給するトロリーバスや、ディーゼルと電気のハイブリッドバス、天然ガスで駆動するバスなどを採用している都市は、すでに欧州や米国に存在する。しかし、公共交通すべてを電気化するというロンドン交通局の今回の決定は世界初となる。
?ロンドンのボリス・ジョンソン(Boris Johnson)市長はロンドン市庁舎での発表会見で「EV(電気自動車)の2階建てバスは、走行に必要な電力を供給するバッテリーが大きいために、多くの人が不可能だと考えていた」と述べた。バッテリーが大きくなると、その分、乗客が使用できるスペースが狭くなるだけでなく、バッテリーが重いためにより多くの電力が必要になるというジレンマが発生する。つまり、1回の充電で走ることのできる距離が短くなる。
?その問題を解決するため、ロンドン市はEVバスメーカー大手の中国企業BYD社と提携。ジョンソン市長によれば、10月からBYD社製のゼロエミッションの2階建てバスが、ロンドン市内の16号線を試験走行する。
?環境にやさしいことはもちろん、EVバスは振動が発生しないので静かで快適な乗り心地が得られる。これからは、EVバス自体がロンドン観光の目玉となるかもしれない。
エイチ・アイ・エス(HIS)がこのほど発表した2015年夏休み(7月16日?9月30日出発)の海外旅行予約動向によると、6月30日時点で同社の海外ツアーと航空券を予約した渡航者数は、昨年に続きホノルルが最も多かった。以下はグアム、台北、シンガポール、バリ島の順に続き、全体的にリゾート方面が好調に推移。6位以下についても、8月から成田/ブリスベン線のデイリー運航が始まるオーストラリアなどが順位を上げているという。
今年は9月のシルバーウィークが6年ぶりに5連休となったことから、出発日のランキングは連休初日の9月19日が1位に。前日の18日は2位となった。同社は9月には、人気上位のハワイ、グアム、バリ島に加え、ダナン、コタキナバル、セブ島などにチャーターツアーを予定。即日完売する方面も出ているという。
一方、シルバーウィークに人気が集中していることもあり、8月は「例年に比べて遅い」状況。中東呼吸器症候群(MERS)の拡大で韓国方面が低迷していることから、前年をわずかに下回っており、「比較的に希望の日程で旅行がしやすい」状況にあるという。同社では「シルバーウィークと比較するとお得な商品」なども設定し、今後の駆け込み需要の取り込みに備える考え。
予約の伸び率ランキングでは、米国との国交正常化後には現在のレトロな雰囲気も一変すると考えられるキューバが、前年比256%増と最も大きな伸びを示した。昨年1位のベトナムのダナンも、132%増と引き続き好調で5位にランクイン。7月から9月にかけては、ベトナム航空(VN)が成田便をデイリー化する。
HISではそのほかの傾向として、ダイナミックパッケージなどの浸透により、旅慣れた旅行者やレジャー需要の大きい地域に関して、より自由度の高い旅行の人気が高まっていると説明。人気の出発日や方面ではツアーの延泊などのアレンジが難しいケースが多いことなどが影響しているという。また、従来の体験型ツアーに加えて「スタディツアー」「ボランティアツアー」なども人気を集めているとした。
なお、アジア・アトランティック・エアラインズ(HB)については、7月と8月にバリ島へのチャーター便を10本程度運航する予定。9月以降については未定としている。
台北?高雄間を結ぶ「台湾新幹線」(台灣高鐵)は、2015年12月01日に「苗栗」、「雲林」、「彰化」の3駅の開業を目指すと発表いたしました。
これにより3駅開業後は、台北から高雄(左営)までの各駅停車の所要時間は現在より18分延び、2時間18分となる予定です。
また南港駅の開業後は全12駅となり、南港?高雄官の所要時間は各駅停車で2時間30分となる予定です。
なお運賃も3駅の開業に伴い、12月01日より値下げとなります。
これにより、台北?高雄(左営)間の運賃は現行の片道1,630元から2013年10月以前の1,490元に戻すとしています。
ジェイティービー(JTB)がこのほど実施した夏休み(2015年7月15日?8月31日)の旅行動向調査で、業務渡航を含む海外旅行者数は前年実績の推計比で1.9%減の255万人の見込みとなった。JTBによると、円安基調が継続していることや、国際情勢や感染症などの影響により、前年を下回る予想だ。平均費用は0.7ポイント増の25万1500円だった。
方面別訪問者数の推計では、中国が1.9%増の32万1000人と最も多かった。また、今年の夏はハワイと台湾が継続して人気といい、推計でもハワイは0.9%増の23万4000人、台湾は2.2%増の18万5000人とともに前年を上回った。
また、オーストラリアも1.9%増の5万4000人と伸長。JTBでは、航空路線の拡大や、日豪経済連携協定(EPA)の締結による業務渡航の増加などが要因と分析している。
一方、円安や国際情勢の影響などで、欧州方面は1.4%減の43万2000人、マレーシアは5.7%減の3万3000人と減少。感染症への懸念から、韓国も19.2%減の25万7000人と前年を下回る見込みだ。
出発日は、JTBのツアー予約状況を見ると、欧州などの長距離方面は8月8日、ハワイや東南アジアなどの中距離方面は8月12日、台湾やグアム・サイパンなどの近距離では16日が人気となった。また、今年は6年ぶりにシルバーウィーク(9月19日?23日)があることから同時期に旅行を計画する人も多く、期間中の予約状況はルックJTBが80%増、国内旅行のエースJTBが188%増と大幅に増加した。
このほか、今後の旅行支出に対する意向では「支出を増やしたい」が16.0%増と前年に比べ3.5ポイント成長。夏期ボーナスの増加で所得の向上が見込まれる点などが一因との考えだ。「単価も回数も同程度」は0.4ポイント減の34.4%、「支出を減らしたい」は2.8ポイント減の27.5%、「単価を減らし回数を増やす」は0.3ポイント減の12.3%、「単価を増やし回数を減らす」が0.2ポイント減の5.9%となった。
また、同行者に関する質問では「夫婦のみ」が4.3ポイント増の19.1%、「三世代」が1.2ポイント増の7.8%、「家族と友人・知人」が4.4ポイント増の10.3%と増加。一方、「子供づれ(中学生まで)」は4.0ポイント減の32.3%と減少しており、JTBでは光熱費や日用品などの値上げが影響しているとの考えを示している。
なお、調査は旅行動向アンケート、JTBグループの販売状況、航空会社の予約状況、業界動向、経済動向から推計したもの。旅行動向アンケートは6月3日から15日にかけて、全国200地点で15歳から79歳までの男女を対象に個別訪問で実施しており、サンプル数は1200名。
成田国際空港(NAA)によると、2015年5月の国際線旅客数(速報値)は前年比7.1%増の253万1603人となり、2ヶ月連続で前年を上回った。日本人旅客数は2.2%減の100万3689人と減少。通過客も10.6%減の46万1656人となった。
一方、外国人旅客数は円安基調の継続や消費税免税制度の拡充などにより、5月としては過去最高となる30%増の106万6258人を記録。4月に引き続き、外国人旅客数が日本人旅客数を上回る結果となった。
国際線旅客便の発着回数は0.2%増の1万2895回。エア・カナダ(AC)がトロント線の運航を再開したことなどから、2ヶ月連続で前年から伸長した。
日本旅行業協会(JATA)が大手ホールセラー5社(※)に実施した夏休み(7月1日?9月30日)の販売動向調査で、海外旅行の予約人数は7月が前年比7.7%減、8月は15.9%減、9月が31.5%増となった。JATAによるとお盆休みよりも、日並びの良いシルバーウィークに需要がシフトしており、9月はすでに予約が取れない出発日も出てきているという。
商品別の傾向としては、シングルチャージが不要なプランを中心に1人旅が好調。加えて、祖父母がスポンサーとなる3世代での旅行や、祖父母と孫での旅行なども増加しているという。
また、JATA会員各社381社の営業、企画、カウンターなどの担当者453名におこなったアンケートでは、人気の方面は1位がハワイ、2位が台湾、3位がグアムとなった。ハワイと台湾は時期によって1位と2位の入れ替えがあるものの安定した需要があり、ハワイは家族旅行に限らずさまざまな世代から好評で、台湾は女性グループでの需要が増加しているという。また、3位のグアムは昨年の4位から上昇しており、3世代旅行などファミリー層からの人気が高くなった。
このほか、昨年13位だったタイが5位に、12位だったオーストラリアが10位にランクイン。タイはファミリーでのプーケット訪問や、グループでのバンコク訪問が増加。一方、オーストラリアは安全なイメージが強いことから、学生に人気を博しているという。
※調査はジェイティービー、近畿日本ツーリスト個人旅行、日本旅行、阪急交通社、ANAセールスの5社を対象に6月上旬に実施。5社のパッケージツアー申込予約の前年比の数値をもとにJATAが取りまとめた。
世界最大級の旅行サイト「トリップアドバイザー(TripAdvisor)」は2日、旅行者の選ぶランドマーク(象徴的な建造物)ランキングを発表した。旅行者に最も人気だったのは、カンボジアにあるアンコール(Angkor)遺跡の中でも保存状態の良い寺院、アンコールワット(Angkor Wat)だった。
?旅行者は、時の試練に耐え鎮座する歴史的建造物を好むようだ。2位はマチュピチュ遺跡(Machu Picchu)で、3位はタージマハル(Taj Mahal)。
?ランキングは、1年の間にそれぞれのランドマークに寄せられたコメントの数と質を評価するアルゴリズムを用いて決定された。
■世界で旅行者に人気のランドマークトップ10
1. アンコールワット、カンボジア・シエムレアプ(Siem Reap)2. マチュピチュ、ペルー3. タージマハル、インド・アグラ(Agra)4. シェイク・ザイド・モスク(Sheikh Zayed Mosque)、アラブ首長国連邦(UAE)アブダビ(Abu Dhabi)5. サグラダ・ファミリア(Sagrada Familia)教会、スペイン・バルセロナ(Barcelona)6. サンピエトロ大聖堂(Saint Peter's Basilica)、バチカン7. ミラノ大聖堂(Duomo Di Milano、ドゥオモ)、イタリア・ミラノ(Milan)8. アルカトラズ(Alcatraz)島、米カリフォルニア(California)州サンフランシスコ(San Francisco)9. コルコバードのキリスト像(Christ the Redeemer)、ブラジル・リオデジャネイロ(Rio de Janeiro)10. ゴールデンゲートブリッジ(Golden Gate Bridge)、米カリフォルニア州サンフランシスコ
韓国保健福祉省は4日、中東呼吸器症候群(MERS)コロナウイルスに三次感染した男性(82)が死亡したと明らかにした。
韓国のMERS感染では3人目の死者で、三次感染による死者は初めて。
男性は5月28?30日、二次感染者の男性(40)が転院した韓国中部・大田テジョンの病院で同室だった。隔離治療を受けていたが、3日夜に死亡した。2日の簡易検査では陰性だったが、最終検査で陽性反応が確認されたという。
韓国政府によると、感染者は3日から6人増え、36人になった。隔離対象者は約300人増え1600人を超えた。感染源は依然として医療機関に限られているが、予防対策として、ソウル近郊の京畿道キョンギドを中心に1100校以上が休校措置を取った。
韓国観光公社は4日、MERSの影響で、韓国旅行を予定していた外国人1万1800人が予約を取り消したと明らかにした。9割は中国人などだが、日本人も3日だけで120人のキャンセルが確認されたという。韓国の旅行大手関係者は、「中国人観光客には、かつて中国で流行したSARS(重症急性呼吸器症候群)の記憶が根強いのではないか」と話した。
マレーシア政府観光局は6月3日、都内で「マレーシア・セールスミッション2015」を開催した。合わせて来日した同局総局長のマレーシア政府観光局総局長のダト・ミルザ・モハマッド・タイヤブ氏は業界誌のインタビューに応え、2015年の日本人訪問者数の目標を前年比8.5%増の60万人にしたと説明。増加をめざし、ターゲットを明確化したマーケティングをおこなっていく方針を示した。今までのOL層、サラリーマン、企業のインセンティブや教育旅行、アクティブシニアなどに加え、今年は特にロングステイやゴルフに焦点を当てていく。
具体的な訪問者数としては、60万人のうち両セグメント合計で最大で5万人程度を見込む。ロングステイについては、毎年ロングステイ財団が発表している意識調査で、マレーシアが9年連続で希望国1位となったことを強調。今後は高品質の施設を増やし、更なる積み増しをはかっていく。
また、ゴルフについては、「ワールド・ゴルフ・アワード2014」で、「アジア・ベスト・ゴルフ・ディスティネーション」の「ワールド・ベスト・ニュー・ゴルフ・コース」にランカウイのエルス・テルック・ダタイが選ばれたことを挙げ、喜びを示した。今後も旅行会社とタイアップして、日本のゴルファー向けのツアー造成を促していく。
マレーシア政府観光局によると、2014年の日本人訪問者数は7.8%増の55万3106人で、同国における市場規模は9位。タイヤブ氏は、日本市場は以前は3位だったが、現在でも「トップ10に入る重要なソースマーケット」であると重要性を強調。マレーシアはインフラが整っており、治安もよく、ダイビングやショッピングなど様々な選択肢があるとし「日本人は安心して快適な環境の中でサービスを受けられる」とアピールした。
ただし、2015年1月から3月の日本人訪問者数の累計は、世界経済の低迷や円安、航空機便数の減少などの影響で16.4%減の12万5339人と減少しているところ。タイヤブ氏は「減速後はかえって注目を得る。我々の活動を改善するいい機会」と語り、「『継続は力なり』ということわざがあるように、努力を続ければ必ず回復できると楽観している」と前向きな姿勢を見せた。今後は引き続き屋外広告やラッピングタクシーを活用した広告展開や、メディアのファムツアーなどを積極的に展開していく。なお、同局マーケティングマネージャーの徳永誠氏によると、今年の後半にリカバリーキャンペーンの実施も検討しているという。
また、同政府観光局では今年、「マレーシア・イヤー・オブ・フェスティバル」として、マレーシア独自のグルメやアート、文化や歴史をイベントや祭りで紹介しているところ。キャンペーンを通し、幅広いターゲットにマレーシアの多様性をアピールする取り組みとして継続していく。今回のセールスミッションで開催したセミナーでは、今後実施するイベントとして、ラマダンに合わせて、飲食が可能となる日没後に合わせて食べ物を売る「ラマダン・バサール」や、イスラム教徒とともに断食明けの食事を体験する「イフタル」などを紹介した。
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